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3 うっせえな1
「ねえ、けんたろー、あれ何？」
「あれ？ 電波塔らしいよ」
リリィさんがおれが座るバスの席の隣の窓際に座り、俺の肩を叩きながら車窓からの眺めに一つ一つ食いついてくる。
それもそのはずか、そもそも、日本で生活していなかったリリィさんだ。初めて見る景色だとしても、それは、まったく不思議ではない。まあ、このはしゃぎようは、修学旅行のバスの中でもひときわ目立っている事も否めないのだが、リリィさんは何故か、相棒の未海ちゃんを別のお友達に預け、俺と一緒に座りたいとご指名してきた。ウチそういうお店じゃないのでと断ったのだが、押し切った。まあ、いつもの感じだ。
