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33 家路1
すっかり暗くなっちまった。
途中の港には既に明かりをつけた漁船が所狭しと並ぶ。
その光景を見ながら俺達は家路についていた。
俺は未海さんとリリィさんを家まで送って行くことにした。
推しと完が仲良く手を繋いで歩いていた。
ああ、携帯、家なんだよな……残しておきたい。
未海さんの家の前ではお母さんが心配そうに立ってこっちを見ていたが、二人の様子を見て分かりやすく安堵の表情を浮かべていた。
俺はひと通りの説明をして、お母さんを安心させ、その先のリリィさんの家に向かっている。




