表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凪の始まり  作者: 樹本 茂
9月 リリィさんと海(後編)
119/387

25 未海さん3

「私ね、頭の中でわかってたの、私が学校に行ったらこうなるんじゃないかって、それもどこかで考えていて、学校に行けない理由の少しになっていたの。でも、それ以上にけんたろーとの約束の方が大切だと思って、行ったんだけど、やっぱり、未海ちゃんはそうなっちゃうんだね」


涙を滲ませるリリィさんは俺に助けを求めている。いや、参った。こんな事になっていたとは、全然知らなかった。


「けんたろー、どうしたらいいの? 私、どうしたらいい?」


急に俺に抱きついて、泣いているリリィさんは少し震えていた。どうしたらいい……か、どうしたらいい?


「リリィさんは、未海さんをどう思っているの?」


「……私は友達と思っていたけど……違うんだろうね」


「そんな……違わないと思うよ。友達だから、余計に辛いんだと思うよ」


「そうなんだね……」


思うに、未海さんはリリィさんに済まない気持ちでいっぱいなのだろう。

それは、理解できる。


それじゃあ、リリィさんはどうなんだろう。おれの腕の中で抱きしめている大切な友は、実際、ほんとのところ、本心でどう思っているのだろう……


どうするか……俺は……

二人共、歳は離れているが大切な友人だと思っている。

俺はこの件にどういう風に関わればいいんだろう。

本音を言えば……関わらないで済むなら、そうしたいくらいにハードな内容だ。


でも、俺にしがみ付いて小さく震える完ロリの縋る視線を見ていると、関係ないからとはとても言えない。かといって、どちらかの味方もしたくない。


そもそも、リリィさんはこのことについてどう考えているんだ?

大切なお父さんを無くしたリリィさんは、亡くなった原因になった未海さんについてどう思っているんだろう?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ