114/387
20 不登校児の登校
月曜には早速、色々なところで動いてくれたらしい。何処までの解決になるのかは、事が事なだけに全部スッキリ解決とはいかないだろうが、それでも、リリィさんが、学校に通ってくるようになったのには大きな前進だ。
「陽葵先生!! 席替えしませんか?」
完ロリがいきなり、朝の会で、登校二日目のしょっぱなから、その牙をむきだした。
「私、背が大きいから、後ろの七音ちゃんが可哀そうなんです。背、ちっちゃいし、私、後ろに行きます、っていうか……」
通路側の一番前に座る完ロリが吠える。
俺はなんだろう、リリィさんのこの後に出てくるセリフに胸騒ぎがした。
ヤな予感しかない。
「けんたろーの隣が良いです!」
あ!やっぱり言いやがった。俺の隣の大垣君が固まった。そりゃそうだよね。ピンポイントで来るもんな。席替えってさ、全員でやるもんじゃないの? なんでお前ひとりだけやろうとしてんだよ。
「篠塚さん、それじゃ、全員出席したらやりましょう」
陽葵先生が押し切られた。今日は、俺の前の推しロリ未海さんがお休みなので、来たらやろうという意味らしい。




