表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凪の始まり  作者: 樹本 茂
9月 リリィさんと海(後編)
105/387

11 リリィさんの不登校5

「リリィさん!!………… 聞け!!!」


リリィさんが普段見せない俺の本気の顔を見て半身後ろに下がった。


「リリィさんはそんな子供じゃない!! 


俺はリリィさんを知っている!!


リリィさんは本当は学校に行きたい!!


知っている!


いけない理由はお母さんだ!


お母さんが夜に何処かへいなくなってしまう。

それをずっとずっとリリィさんは面倒見ていたんだ。


だから、昼過ぎにしか起きれなくて、学校にも行けなくなって、大人に相談しようとしても、そんなお母さんの様子を見て、遠くでいやらしく見てるだけの大人に絶望していた。


そんなお母さんを誰にも見られたくない。見せたくない。だから、誰にも言えなくて、ずっとずっと一人で抱え込んでいた。


違うか!!


お前の前にいる俺はそんな大人か?


そんな大人に見えるのか?


お前は俺の何を見て来た?


俺を信じろ!!


俺なら、お前を、リリィさんを学校に戻せる。お母さんの事も俺が救って見せる。


だから、だから俺を信用してくれ!

俺を頼ってくれないか!!」


動かなくなった……


リリィさんは、俺を見つめ、動かなくなった。


ただ……


顔をくしゃくしゃにして、声を上げて、子供の様に泣き出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ