11 リリィさんの不登校5
「リリィさん!!………… 聞け!!!」
リリィさんが普段見せない俺の本気の顔を見て半身後ろに下がった。
「リリィさんはそんな子供じゃない!!
俺はリリィさんを知っている!!
リリィさんは本当は学校に行きたい!!
知っている!
いけない理由はお母さんだ!
お母さんが夜に何処かへいなくなってしまう。
それをずっとずっとリリィさんは面倒見ていたんだ。
だから、昼過ぎにしか起きれなくて、学校にも行けなくなって、大人に相談しようとしても、そんなお母さんの様子を見て、遠くでいやらしく見てるだけの大人に絶望していた。
そんなお母さんを誰にも見られたくない。見せたくない。だから、誰にも言えなくて、ずっとずっと一人で抱え込んでいた。
違うか!!
お前の前にいる俺はそんな大人か?
そんな大人に見えるのか?
お前は俺の何を見て来た?
俺を信じろ!!
俺なら、お前を、リリィさんを学校に戻せる。お母さんの事も俺が救って見せる。
だから、だから俺を信用してくれ!
俺を頼ってくれないか!!」
動かなくなった……
リリィさんは、俺を見つめ、動かなくなった。
ただ……
顔をくしゃくしゃにして、声を上げて、子供の様に泣き出した。




