第25話
大会12日目剣術、武術第1試合
時は少し戻り、ヒュージの試合
相手は2年6組ペルージャ
ペルージャの印象はひょろ長く、良くここまで勝ってこれた、との印象だ、そして【トン…トン…トン…トン…】と、軽く片足でジャンプし独特なリズムでスッテップを刻んでいる。
それに対しヒュージは前回と同じく、腰を落とすだけの構え。
審判の『はじめ!』の声と同時に【トン】との音と同時にペルージャはフッと姿が消えた、と同時にヒュージの後ろに姿を現すと同時に2発殴る。
ヒュージは背中に2発もらい、慌てて前転して追撃を入れられないように立て直そうとするが、既にそこにはペルージャが立っており下から蹴りを放つ寸前だった。
ヒュージは即、腕をクロスに防御態勢を取るとそこに蹴りが入る、それはガードしたが同時に横からも蹴りが頭に入った。
横に1mほど吹っ飛ばされるが、腕を突いて倒れるのを防ぎつつ片手側転で着地し、ペルージャを探すと蹴りの後、追撃をせずにその場に立っていた。
「思っていたほどではないな。」
ペルージャが話しかけてくる。
「ペルージャ先輩のスピードは目を見張る物が有るが、攻撃力は高くないな。」
「なら、これから本気を出すしかないな。「身体強化、魔力アーマー」」」
魔力アーマーによりペルージャの身体に魔力で生成された鎧をまとう。
「ならこちらも、「魔闘気40%」」
ヒュージに魔闘気が全身を覆う。
両者睨み合いペルージャはさっきと同じく、【トン…トン…トン…トン…】と、独特なリズムでスッテップを刻んでいる、それに対しヒュージはユラユラと身体を揺らす、そして最初に動いたのはヒュージだった。
ペルージャは5発殴りにかかるが、ヒュージの身体を透き抜ける。
今度はヒュージが1発殴りかかるが【トン】との音と同時に姿を消す。
そしてさっきと同じようにヒュージの後ろに姿を現し2発殴りにかかるが、ユラユラ揺れるヒュージの身体をすり抜けた。
その時何処からともなくペルージャの顔面にパンチが入った。
「ぐ!」
だがペルージャの目には背を向けたヒュージしか見えなかった。
さらに数発魔力アーマーに殴られた衝撃が入る。
訳の分からなくなったペルージャは四方八方に手を出すが何も触れた感触もない。
その時背を向けていたヒュージの姿がスゥーと消えていくと同図に。
「魔撃掌」
と耳に入ったと同時に魔力アーマーの胸の部分に波の衝撃が入った。
【パリンンンンン!】
魔力アーマーが砕ける音と同時に胸に衝撃の波が襲う。
その衝撃が全身を駆け巡ると同時に残っていた全身の魔力アーマーも壊れていき、その場で崩れるように倒れた。
倒れたペルージャを確認した審判が「勝負あり、勝者ヒュージ!」と宣言した。