表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ同然の悪役令嬢に転生したので男装して主人公に攻略されることにしました(書籍版:モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う)  作者: 岡崎マサムネ
Secret track

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

595/605

11.顔にでかでかと「分からない」と書いてある

 リリアと連れ立って、訓練場にやってきた。

 目当ての人物を探して首を巡らせる――までもなく、すごい勢いでこちらに近づいてくる人影があった。いや、土煙と言った方がいいか。


「隊長!」

「ロベルト」

「どうされたんですか!? 今日はオフでは」

「ああ、ちょっとお前に用事があってな」


 相も変わらず例のキラキラを容赦なく顔面に突き刺されて、目を細める。


 ロベルトも私と同様第四師団の所属になったし、以前と変わらず訓練場の教官も務めている。

 しょっちゅう顔を合わせているというのに、学生時代どころか子どもの頃から変わらないこの熱量は一体どこから来るのか。未だにその謎は解けていない。


 不思議そうに目を瞬いたロベルトに、背後のリリアを親指で指し示した。


「今度、学園のダンスパーティーあるだろ。そこでリリアをちやほやしてほしいんだ」

「ちや……ほや……?」


 ロベルトが首を傾げた。

 顔にでかでかと「分からない」と書いてあるが、首を捻っていたのはわずかな間だった。すぐに表情を明るくして、爛々とした目で拳を握りしめた。


「よく分かりませんが分かりました!!」


 あまりにもダメそうだった。

 その回答でいいわけあるか。「分かりました」に最もつけてはいけない枕詞である。そう言われて誰が「それなら安心だ」と任せられると思うんだ。


「エリ様。エリ様の教育の賜物ですよ」

「訓練場の教育が悪いんだろ」


 耳打ちしてきたリリアを軽く肘で小突く。リリアがウッと呻いて小さく吹き飛んだ。大げさだな。

 なお、この訓練場が少々青少年の教育に悪いのは紛れもない事実なので、これは特に風評被害ではない。


 とはいえ、ロベルトがお話にならないのはある意味想定内だ。

 それこそアイザックに演技を期待していないように、ロベルトにも王太子殿下のようなテクニックは最初から期待していない。


 そもそもゲームとは大きく面舵一杯に性格が変わっているロベルトだ。

 ゲームの逆ハーレムエンドでは「おい、俺以外見てるんじゃねぇよ……!」みたいな台詞をよくあるツンデレ口調で言っていたと記憶しているが――ふんふんと鼻息も荒く「お任せください!」とか宣っているこのロベルトに、そのような立ち回りなど望むべくもない。

 無理に演技でもさせようものなら大根どころか案山子の方がマシな有様になること請け合いだ。


 かといって、今のロベルトがどう立ち回るのが正解なのかもなかなか悩ましかった。

 犬系男子らしく無邪気に振舞わせるのがいいのか、いや、私や騎士団関係者以外には騎士らしく振舞っている様子だし、リリアに対してならそちらの方が自然なのか。


 ――まぁ、まずは一度自然に動かしてみて、そこから調整していくことにしよう。


「よし、ちょっとやってみろ」

「はいっ!」

「えっ」


 リリアが私の顔を見上げた。そしてロベルトの顔を見上げて、また私の顔を見る。

 何やら驚愕と怯えが滲んだ顔をしていた。


「え、エリ様! わたしが真っ二つになったら責任取ってくれるんですか!?」

「その場合責任取るべきなのはロベルトだろ」

「誰一人幸せにならない件!!」

「いくら馬鹿力でもエスコート相手を真っ二つにはしないって」

「この前ふとした拍子にアイザック様を真っ二つにしてました!」

「眼鏡掛けの方は無傷だった」


 リリアの抗議を却下して、彼女の背を押してロベルトの前まで追いやる。

 いつまでも往生際悪くこちらを凝視しているリリアを無視して、視線でロベルトに決行を促した。

 ロベルトが静かに頷く。


 さて一体どう出るかと思って様子を窺っていると――ロベルトはおもむろに、その場に跪いた。

 そっと恭しく、リリアの手を取る。


「リリア嬢」

「え?」

「俺に、エスコートさせてもらえるだろうか」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍最新7巻はこちら↓
i000000

もしお気に召しましたら、
他のお話もご覧いただけると嬉しいです!

転生幼女(元師匠)と愛重めの弟子の契約婚ラブコメ↓
元大魔導師、前世の教え子と歳の差婚をする 〜歳上になった元教え子が死んだ私への初恋を拗らせていた〜

社畜リーマンの異世界転生ファンタジー↓
【連載版】異世界リーマン、勇者パーティーに入る

なんちゃってファンタジー短編↓
うちの聖騎士が追放されてくれない

なんちゃってファンタジー短編2↓
こちら、異世界サポートセンターのスズキが承ります

― 新着の感想 ―
眼鏡がアイザック本体で肉体は眼鏡掛けなのホンマに死ぬ
やればできる子だったロベルトっ!?!?!?!?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ