プロローグ
皆さま大変お待たせ致しました!
モブどれ、新章を開始しようと思います! 題して「偽物編」です。
毎週水曜・土曜の週2回更新でやっていけたらなと思っています。
どうぞあたたかく見守っていただければ嬉しいです!
そして、モブどれ書籍版5巻&コミカライズ2巻&アクリルスタンドの発売日7/16も近づいてまいりました!
活動報告やX(Twitter)には書影・画像も上げていますので、ご興味のある方はぜひご確認ください。
ではでは、どうぞよろしくお願いいたします!
前回までのあらすじ。
北の国の王族からの結婚の申し入れを断るために祖国に心に決めた人がいると虚偽の申告をしたところ、北の国の王族本人がわざわざ会いにくることになった。
なってしまった。
こう書くと私が行き当たりばったりの口から出まかせを言ったのだから自業自得だろうと思われるかもしれないが、よくよく考えてほしい。
相手は他国の王族だ。下手なことをすれば不敬だなんだと国際問題になりかねない。
私は単身北の国の真っ只中にいるわけで、しかも怨霊関連のあれそれで疲労していた。揉め事になったときに不利なのは間違いなく私の方である。
ここまでの流れで北の国が海路で送ってくれることになっていて、海路なら陸路の半分以下の日数で国に帰れる。
私は一刻も早くディアグランツ王国へと帰りたかった。我が家の布団で寝たかった。家に帰るまでが遠足なのだ。
穏便に断りたいと思うのが人情というものではないか。
しかし断ろうにも、勧められたお相手はどこを見ても欠点の見つからない外観も内装も日当たり良好の超優良物件、男女どちらでも対応可能、嫁入り婿入りOK。
さてここで考えてみてほしい。
波風立てずにお断りして、その上で祖国まで送り届けてもらうためには、私は何と答えるべきだろうか。
他にいい案があれば後学のためにご教示願いたい。
まぁ仮に自業自得と言われたとて私は我が身可愛さに発言したわけで、その業すら負いたくないんだから仕方がないだろうと答えることになるのだが。
というかわざわざついてくる必要はないだろうに、向こうも向こうで何故引き下がらない。
どうにも私が嘘を言っていると決めつけてかかっている気がしてならなかった。
こう見えて過去に婚約者がいたこともあるし、見た目の通り女性にはモテる。そして花も恥じらうお年頃だ。
心に決めた相手の一人や二人いたっておかしくないと思うのだが……やれやれ、どこも王族というのは人を疑うばかりで信じる心を失いがちなものなのか。悲しいことだ。
まぁ真っ赤な嘘なわけだが。
来てしまうものはもう、仕方がない。
目下穏便に諦めてもらうには、誰か生贄、もとい偽の婚約者などをでっち上げるのが手っ取り早いだろう。
リリアなどは大喜びで生贄になってくれそうだが、下手をすると妙な既得権益を作られかねない。
西の国に行ったときのようにその場限りならば良いのだが、知り合いの前で誤解を招くようなことをしては外堀からガンガン埋められる恐れもある。
気づいた時には回り込まれているかもしれない。逃げられないのは困る。
私は何の責任も負いたくないのだ。
もっと後腐れのない相手、と考えて、思いついた。
ぱちんと指を鳴らして、にやりと唇を吊り上げる。
そうだ。うってつけの相手がいるではないか。





