09
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「まさか仮説理論を五年で実現させるなんてな」
リックは内心ソレイユの技術力を侮っていた訳ではないがスペースクリエイトシステムの実現に驚いていた。
この宇宙に住む限り限界がある、その制約を外すシステムだ。
宇宙生命体ともソレイユだけで対抗できるかも知れない。
「さらに対抗策を用意したんだ、これで負けるわけがねぇ」
リックは通信が専門の機体に乗っている。
どんな通信妨害をされてもビットを制御できるよう調整されている。
大量の機体を複製して操ることができる、これが人材の不足分を補い三機の無双を可能にしている。
人員が少ないのは仮説理論を実現させたくて外部に情報を漏らさないようにするためだ。
優位性を保つのが作戦の要となっている。
徐々に情報を漏らしているが優位性は確保したままだ。
「あとは宇宙戦争だけだな」
「どうだ、ウェーバー?解析出来たか?」
「ああ、空間との波動関数から空間自体が新しい構造をしていた。君がこの宇宙には限界が有ると言う仮説も証明できるよ」
恐らく都合のいい空間を作ったのだろうとガーダーとウェーバーは当然のように解析が出来ていた。
無のゆらぎから空間は創造できる。
これで技術力は同じ、ただ…。
「つまり先に展開している方が出力が上なのか、もうすでに我々は敗北していると?」
「そうだね、宇宙生命体とはこれで勝てるとは思うけどソレイユとは理論上勝てないことになる」
ガーダーは悔しい気持ちになった。
理論が分かったが逆に勝てないと証明してしまったからだ。
新人類計画をどれだけ進めても追い付けないことになる。だが
「ならば科学を上まればいい。上まるための理論を作るぞ。ウェーバー」
「まったく諦めが悪いんだからガーダーは、無茶苦茶だよその根性論」
二人はさらに研究していく…。