第2話 生徒会
次の日、俺は美波と学校に向かった。
「寝癖すごいんだね、髪がたってるじゃん」
美波はおもむろにくしとウエットティッシュを鞄から出した。いきなり俺の頭に手をのばしてきて
「じっとしててね」
その言動にドキッとした。
「いいよ、自分で直すから、てか触るな!」
美波は悲しそうな顔をした。オイオイ…(そんなつもりじゃなかったのに…)
「うそうそ、冗談だって、恥ずかしかっただけ!俺の髪かっこ良くキメてくれよな(笑)」
「わかってるって!任してよ!」
ふう。機嫌が戻ってよかった。こいつを怒らせると後が大変だからな…
そんなやりとりをしてる間に学校の門まで着いた。
あれ?何だろう?
朝から門の前にたくさんの女の子達がいた。俺には誰かを女の子たちが待っている様に見えた。
その中にもみくちゃにされながら必死になりながら何かを叫んで警告している腕章をつけた生徒会役員の姿が見えた。
「生徒のみなさーん!門に集まらないで早く自分のクラスに帰ってください!通行の邪魔です!ご協力お願いします!」
女の子たちにはまるで聞こえていないように見えた。そして、門に近づいた時だった。大勢の女の子たちの中から
「来ましたよ!」
と言う声が聞こえてきた。それと同時にたくさんの女の子たちが自分の近くに群がってきた。
「おはようございます。奥村くん。私たちあなたとお友達になりたくて、皆で待っていたのです!」
正直なところとても驚いた。まさか、ここまで早く噂が広まるとは、思いもしていなかった。
「そうか!いいぞ!皆今から友達だ!」
(何なら全員ハーレム彼女にしたいぐらいだ!青春万歳!学園万歳!(笑))
「奥村くん!下の名前で読んでも良いかしら?」
「全然大丈夫!むしろ、下の名前で呼んでくれ!」
「分かりましたわ!正宗くん!」
高校に入って初めての|友達《かのじょこうほ》ができた。
「あら、私ったら名前を、申し上げていませんでしたね、私は立嶋麻衣子です。よろしくお願いします。」
「俺の名前は奥村正宗よろしくな!ってか名前は知ってたよな」
「ねえ、麻衣子ちゃん。君って気品があって結構身なりが整ってるね!ひょっとして本物のお嬢様だったりして(笑)」
「はい。そうですわよ。」
「そうだよな(笑)そんなわけねーよな…って、えェー!!」
「私はフレークハート家の令嬢ですわ。でも、敬語とかは、必要無いですよ!今まで通り普通で結構ですから」
まじかー!スッゲー奴と仲良くなったもんだな。
しかも、結構な胸だったな、、
そんなことを考えるのも、つかの間ですごい勢いで女の子たちにもみくちゃになっていた。
手に何か当たっているような…何だ?この柔らかくて生暖かい感触…わっっ!?
おっぱい?!
めっちゃめちゃ柔らかくて、最高だ!こっちは巨乳、あっちはまだまだ成長途中のぺったんお胸!こんなことして良いのかしら♪
これは事故だからしょうが無いよな。うん。そうだそうだ、しょうが無い、しょうが無い。
おっ!髪の毛の良いにおい!
いやいや、俺は全然悪くない。
悪いのは群がってきている女の子たちだ…
と自分に言いきかせた。
(はぁー。この学園ってまじで漫画見たいなこと起きてるよな。こんなのラッキースケベをとっくに通り越してただの変態じゃないか…。)
すでに正宗の自制心が崩壊寸前になっていた。
始業時刻も近づいてきた。調子に乗ってたらそろそろヤベーな。
そう思っていたその時だった。
「こっちこっち!」
いきなり誰かに引っ張られた。
「誰だよ!」
そう言うと
「私はグレートエクセレント学園2年 生徒会長の村上ちぎり。あなた、侵入生の奥村正宗よね。」
「はいそうです!」
「あなた、生徒会に入らない?」
「いやですよ、そんな面倒くさいの。なんで俺が生徒会に入らなくちゃいけないんですか?」
「先ほどの女生徒を見たでしょ。あなたは入学して早々とても、女子に人気がある。だから、放っておくと、学園の風紀が乱れるの。今の生徒会の力だけじゃ、あの子たちを制止させることは出来なかった。そこであなたに生徒会に入ってもらうことで生徒会の人気も上がりあなたが変なこのを女生徒たちにしないか監視することができて、まさに一石二鳥なのよ。わかった?」
「何度も言いますけど、俺は生徒会なんぞに入る気はない。他を当たってくれ。」
「あらあらまあまあ、そんなこと言って良いのかしら?あなた、捕まりたいのかしら?お可愛いこと。」
なにかを会長がポケットから取り出した。会長の手には、先ほど鼻の下をのばしながら胸を揉んでいる自分が写っている写真があった。
「げっ!それは…卑怯だぞ!お前!」
「生徒会長にお前って失礼でしょ!それに揉んでいるのは、他の誰でもなくあなたがしたことでしょ?良いのよ、私は。入ってくれないのなら、女生徒たちにこの写真ばらまくわよ?良いのかしら?」
おいおい…そんなことされたら、俺のハーレム計画が水の泡になる。それだけは回避しなくては…こうなったら仕方ない。ここはおとなしく相手の言う通りにしよう…
「分かりました…俺、生徒会に入ります。」
「ありがとう正宗くん。話せば分かり合えると思っていたわ。これからよろしくね♪」
「よく言うぜまったく。こんなのほぼ強制じゃねえかよ」
ん?あそこの木の陰からこっちを見ている女の子は、誰だ?
結構可愛いな。
しかもタイツでグラマーじゃないか。俺好みの女の子だ。
名前、なんて言うんだろう?
このときの俺は、生徒会に入ったことで己の恋の心境に変化が起こるとは、
まだこのときは思ってもいなかった。
投稿が遅れてしまい、すいせんでした。
第2話の最後に登場した、謎の美少女の正体はいったい誰?
次回の「学園ハーレム」は
第3話 謎の少女とラッキースケベ野郎の出会い
新米作家ですが今後とも、よろしくお願いします。