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プロローグ
わたしは召喚獣。
にんげんにウンディーネと呼ばれた、召喚獣。
にんげんと召喚獣。
主従の関係。
それ以上の何でもなく、それ以下の何でもなかった。
わたしはウンディーネ。
たくさんいた仲間たちの一人、何てことはない一人。
そう、それだけのこと。
その関係に不満はなく、所詮主とは一回限りの関係。
次に呼び出すときは、わたしじゃなくてわたしである子を。
彼等にとっては【ウンディーネ】全てで一つの存在。
でもそれでいい。
わたしたちにとっては【にんげん】全てで同じ存在。
けどそれでいいの。
わたしたち召喚獣と彼等にんげんに、それ以上は要らないと思っていたから。
―――そう、思っていたの。
わたしは召喚獣。
わたしはウンディーネ。
わたしは……ウンディーネだったの。
わたしは―――