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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人間の屠殺場

作者: 沫雪(AWAYUKI)

 私が見た、最も恐怖を感じた悪夢をものしたいと思います。多分、半分も見たものの恐怖は伝わらないと思います。

 つい最近見た悪夢です。もしも、同じ様な夢を見た人がいたらなー、程度の投稿です。

 その日、見た事の無い部屋に入ったのが始まりだった。その時窓があったと思うが、外の様子は静かな夜だった。曇りだったのか判らないが、星も月明かりも無い。

 突然、目覚まし時計のアラームが鳴った。時計が置いてあるベットに近付き、時計を取ると同時にアラームを止める。


「(9:00……)」


 あやふやだったが、時計が示していたのはその位の時間だった。


「(何だこれ?)」


 その時計は、茶色のデジタル表示で長方形だった。だが明らかに、時計とは機能的に関係の無いものが着いている。それを手前に押して、上から圧すると「カチッ」と音がなって固定された。時計本体を裏返すと、それはカメラになっていた。



 自分だけかどうか判らないが、私の夢では手に取った物や見ていた風景が、違和感無く全く別の物にすり替わっている事はよくある事だ。しかし、私の方からアクションを起こしてすり替わるなど、今までに1度もなかった



 素人目にも、見た目や機能を見る限り、高級なカメラだろうというのが判った。ワンレフの茶色い、フラッシュで撮影するタイプの物だった。

 試しに1枚撮ってみた━━━実際には、同じ場所をスナップショットをしただろうが変わりはない━━━が、メモリーカードの空きがないかフィルムが切れてるのか、撮れなかった。

 今度は何の前触れも無く、テレビゲームをやり始めた。



 この時、カメラはいつの間にか消えている。よくあることだ。多少おかしな事があっても違和感無く進行する。



 キャラクターはよく覚えてないが、2Dの格闘ゲームで、操作キャラが銃━━━散弾銃かマスケット銃━━━を持っている。対戦相手は茶色い羽毛で覆われた鶏のような人間(以下、鶏人間)。赤いトサカに黄色い嘴、緑のボクサーパンツに赤いボクサーグローブ。



 関係無いが、はっきり言わせてもらおう。キャラクターの絵もクソだし、そもそも意味不明なクソゲーだ。幾ら何でも、コレは許し難い駄作である。



 ゲームが始まると、真っ先にこちらが発砲。命中したのは判った。このゲームはターン制なのか、鶏人間が殴って来て挑発。それを三から四回は繰り返したが、鶏人間が苦しみだし、一方的に此方が攻撃。最後には勝った。


「(何だこれ……)」


 呆れたのか、それともやる気が削がれたのか、チャンネルを弄ってアニメを見始める。



 内容はよく覚えてないが、とにかく人が死ぬ事が多かった。



 途中から、番組表を表示し真っ先に目に止まった「世界の■■■■(本能的に想起拒否)」を選択。



 この時、夢の中で自由意志があればどれだけ良かっただろうと、どれ程願っただろう。

 そう、この時が一番の悪夢の始まりだった。



 確かその時のサムネが、軍人の様な屈強の肉体に眼帯、逆立った金髪に白衣と言う似合わない格好だった。以下、眼帯の医者とする。

 そのアニメが始まる。冒頭、眼帯の医者がベビーカーの様な物に6人の赤子を乗せどこかへ運ぶ。その周りには、看護婦が一人用のベビーカーの様な物に赤子を乗せ、眼帯の医者を囲むように移動している。

 そこへ、廊下に一人の男(詳細不明の男)が現れる。場違いにも、黒いコートに長い黒髪。記憶が正しければ、右耳に菱形の赤い宝石を吊るしたアメリカンピアスを着けていた。

 そいつが眼帯の医者の前に立つと、看護婦達は別々の部屋へ向かう。

 その内の一人にアングルが当てられ、歩く足元が映される。

 看護婦が部屋に入った瞬間、風景は一気に変わった。薄暗く、汚れた部屋。地の底から響く呻き声がずっと聞こえていて、鉈や鋸を持った人間が何人もいた。そこはまるで、牢獄の様だった。

 彼らは薄汚れた台に向かって、手に持った物を振り下ろす。

 一瞬だけ、見えた。低い視線から台上にあるものが見えた。

 蒼白い肌、断面から覗く白い骨……人間の手足だ。

 彼等は私から見えない所にある人間に凶器を振り下ろし、解体している! 呻き声の一切も聞かず、無慈悲に振り下ろす!



 その光景を見た私は、声が出なかった。息もしていなかったかもしれない。ただただ有るのは、言葉にならぬ【死】への恐怖。一切の救いも絶たれた恐れ。

 気付けば、いつの間にか知らない場所で、独り立ち尽くしていた。目の前には扉を型度った石版。その外側は鉄格子で、奥には地下牢へ続く廊下がある。私の左右には、ただ壁があるばかり。そして、あの声はずっと聞えていた。



 そこで夢から覚めた。スマホに設定した、オルゴールのアラームが現実へ呼び覚ます。

 本当に死ぬかと思った。あの手足だけは妙に現実的で、きっと忘れられない。

 いったい、彼等は何者なのだろうか。あの看護婦は、迷い込んだのか、それとも、赤子を彼等にする為に運んだのか。

 今と成っては解らない。ただ、言葉にできないあの夢は、私が生み出した【死のイメージ】なのかもしれない。

 死にたくない。あれを見れば、誰だってそう思う。もしも、死後にあの場所へ行くならば……。

 考察:変わった時計→私のスマホ。ここから覚める為の道具か?

 考察:切り離された手足→何をするにも、それを取られれば動けない。罪を犯したその手足を取り上げているのではないか?

 考察:運ばれる赤子→恐らく、処刑人……或いは解体人の後継者。ここから機械のように解体する事を覚えれば、何の疑問も抱かないだろう。子供が虫を殺すように、収穫を拒む稲が存在しない様に、罪に罰が与えられるように、それが理だから。

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