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(序章) ~旅商人少年は街を目指す~ ―ライゼ視点―

どうぞごゆっくりお楽しみください


 早朝の人気のなく、静かな田舎道

 

 古びた荷馬車が、所狭しと並べられた木箱と少年を乗せ、走っている。


 道は舗装されておらず、あちこち、様々な大きさの小石が落ちていて、それに乗り上げる度、荷馬車は大きな音を立てて軋み、荷物や商品を入れた木箱が隣りの木箱に当たり、音を立てている。


 荷馬車に乗っている少年 ライゼは、この音と、規則正しい荷馬車を引く相棒(うま)の蹄の音を聞きながら、ふと顔を上げた。


「ガスパル!見てごらんよ街が見えてきた」


 ライゼの視線の先には、緑色の畑や薄暗い森に囲まれた、街を守るための立派な灰色の城壁と、おそらく街のシンボルとなっているであろう、大きな時計台があった。

 あの街では毎年、野に花が咲き始めたくらいのこの時期、春の訪れを祝う祭りが催され、各地から商人がやってきて様々な物を売る。


 ライゼも、旅商人仲間にこの街の、この盛大な祭りのことを聞いて、はるばるやってきたうちの一人だった。


「あの街に入ったら…そうだなぁ、少し休んですぐ店の準備をしよう、春の祭の間に今年の旅費と越冬する時に使った分稼げるといいな……お前にはもう少し頑張って走ってもらうな?頼んだぜ、ガスパル」


 ライゼにガスパルと呼ばれた馬は、返事をするかのように(いなな)き、さっきより少し荷馬車が速く走る。


 そのまま、荷馬車は街の城門へと向かっていた……





 ~そして、物語は静かに幕を開ける~



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