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世界の終わりの狂想曲  作者: 206941144
悪意の花
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種まき~4~

盗賊視点です。

割と文量が少ないかも。

私の名前は、べリス。まぁ、盗賊団の団長なんてのをやっている。


で、今はレナーシャル家のメイドだ。


何をやってるのかというと、唯の強盗としか言いようがないんだが。

とはいえ、、少し期間が長く計画的な強盗ではあるけどな。


三年前、私の盗賊団が国の騎士団に襲撃を受け、壊滅寸前まで追い詰められた。


でも、そこでどうにかするとかいう頭があるわけでもねぇし、商人を襲ったりして金を稼いでたわけだ。


で、ある商人を襲った時、異様に強い冒険者が同乗していて、まぁ返り討ちにあっちまった。


こりゃ、死んだな、と思ったわけだがその時その馬車に乗ってた身形のいいおっさんが



「依頼を受けないか?」



とか、ほざいてきやがった。

それを、俺達は一も二もなく引き受けたってこと。

別に盗賊の誇りとかねぇしな。


その後もいろいろ注文つけられてさ。

団長の私がそこそこ顔が整ってるからって理由でレナーシャル家に潜入しろ、とか。


最初は、無理だと思ってたんだよ。

だいたい、こんな身元不明な人間雇う馬鹿いねぇだろ?普通。


ところが、奴らはお人好し(馬鹿)だった。


おっさんから、貰った台本通りに面接したら、奥様…ちっ、癖になっちまった。ばばぁなんて、泣いちまって呆気なく採用だった。


そっからは、普通にメイドとしての仕事だ。

まぁ、帳簿を弄っていくらかちょろまかしてたりしたけど、普通に働いていた。


やったことねぇ仕事だったからクソ大変だったけど、まぁ、なかなか楽しかったとも言える。


とは言っても、計画は実行するんだけどな。


ミミカお嬢様…もういいか、ミミカお嬢様の6歳の誕生日に襲撃するってのが計画だった。


本当だったら、金庫の暗号とか聞き出すために、シラーを拷問するって計画だった。奥様は、年の割に綺麗だから、奴隷に出すか、まぁ、シラーの拷問の一つとして目の前で犯すとか色々するって話だったんだが。

まぁ、情が湧いちまったってことかね。


で、運悪く家に来ていたミミカお嬢様の友達のヴァンジェアンス?だっけか?を殺して終わる簡単な仕事だったはずだ。


だが



「ぐぉぉぉぉ、痛ってぇぇぇぇ!」


仲間の1人が殴りかかったんだが、その手を逆に取られ、握りつぶされた。

意味がわからない。

しかも、目の前のガキの目。

あれは、やばい。あんな目は、見たことがない。


だが、私は団長。

さっさと、この事態を収集する。いや、しなければならない。


「てめぇら!そのガキまともじゃねぇぞ!」


「は?」


「早く、散らば─」


ヴァンジェアンスが、握りつぶした手に何かをした。

すると、


「熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃぃぃ!体が燃えてる!燃えてる!誰か、助けてくれ!早く!」


その手から、蒸気が上がっている。


「早く、助けろ!そのガキ、ゲレの血液を沸騰させてんぞ!」


このガキ、魔術師か!

しかも、確実に実力者。全身の血を沸騰させるなんて、膨大で緻密な魔法技術が必要だ。


「おいっ、てめぇ!ゲレから離れろ!」


ガジドが、ヴァンジェアンスに切りかかる。

しかし、ヴァンジェアンスはゲレの右手を離さないまま、水魔法を使いやがった。


異なる属性を同時使用なんて、高等技術さらっと、使いやがって!


水魔法で、生成された水がガジドを包みこむ。

全身を水の薄い膜で包まれたガジドは、全く息が吸えない。


やがて、顔が赤から青に変わり、白目を向いて気を失った。


残るのは、私と副団長のレオン。


ゲレは、既に気を失っている。


「おい、いくぞ。こいつ、さっきから私達を殺そうとしねぇ。まだ、甘っちょろいガキなんだ。気をつけて攻撃すれば、負けることはねぇ!」


「お、おう!」


「散れ!」


私とレオンは、ヴァンジェアンスを挟むようにして立つ。

ヴァンジェアンスの両手はフリーになっている。


「インビジブル!」


私の無魔法が発動する。

この魔法は最大5人までその姿を透明にするという魔法だ。

女ながらも、盗賊団の団長になれたのはこの魔法のおかげといっても、過言じゃない。


私とレオンは、透明になる。

透明になった者同士は、認識可能なので、レオンに合図を送る。


(おい、私がこのガキの後ろから襲いかかる。で、抵抗されるだろうから、その隙にお前が止めをさせ)


(了解)


私は、特殊な歩法で足音を消しながらヴァンジェアンスの背後に回る。


そして、切りかかろうと剣を上段に構えると


ぎゅるん!


「──っ!」


ヴァンジェアンスが突然こちらを向いた。


その目は血のように赤く輝き、私を射抜いていた。


そして、右手から水魔法を繰り出す。


私は、わけがわからないままに地面に倒される。

呼吸が出来ない。死ぬ。必死に口をぱくぱくと開くが酸素が全く入ってこない。


喉をかきむしり、地面でのたうち回る私をヴァンジェアンスは、ゴミでも見るかのように見つめていた。


「お、お、おい!てめぇ!早く、団長の魔法を解け!このガキ殺しちまうぞ!」


レオンが、ミミカお嬢様に剣を向けていた。

しかし、


「おい、来るな、来るなよ!本当に殺しちまうぞ!おい、止まれって!」


ヴァンジェアンスは、全く気にも止めていないのか、レオンの方にずんずん歩いていく。


「あ、ああぁあぁぁぁ!殺す、殺すぞ!うわぁぁぁぁぁぁ!」


レオンは、ヴァンジェアンスの異様な空気に負け、ミミカお嬢様に剣を振り下ろす。


しかし、


キンッ


「あ?」


ミミカお嬢様の周りに青い結界のようなものが張られ、レオンの剣から身を守った。


そして、その隙に、


「がはっ、」


ヴァンジェアンスは、レオンの喉を蹴り抜き、ついでのように、気を失ったレオンの右腕をへし折る。


それも、何らかの魔法を使うのではなく、右腕を段差に引っ掛けて曲がらない方向に踏み抜くという、えげつない方法で。


そして、未だ気を失ってない私の方を向き、思いっ切り足を振り上げて、


──グシャ



2000字程度しかなかったので、12時ぐらいに次話を投稿します。

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