男は死んだ。(Men is dead)
世界史を元にした小説を書きたいと思ったので書きます!
久しぶりに小説を書くので、よろしくお願いします!
目が覚めた。
「おお、おはよう。やっとお目覚めか」
聞き慣れない声が耳に飛び込み、起き上がりながら俺は声の方を向く。
「早速だが、君は死んだ」
そう淡々と述べたのは、真っ黒。
光が吸収されて行きそうなくらいの黒い人型が語りかけていた。
俺は面食らいながらも、その人型に問う。
「死んだって、何でだよ! そもそもお前は誰なんだ!」
人型はいたずらっぽく指を顎に当てる仕草をしながら答えた。
「そりゃあ、僕は君らが《神》と呼ぶ存在さ。ゴッドだよゴッド」
更にこちらを馬鹿にしたような声音で語りかけてくる。
「そして、君は自分が誰なのか、なぜ死んだのかも覚えていないのかい?」
そういえばそうだ。
俺は自分の名前を思い出せない事に気がついた。
自分の死因すらも。
「ほーら、禁忌に触れるからこうもなる。さて、君は死んだ。だが、君に第二の人生のチャンスを与えようと僕は思っているんだ。僕は神だからね」
いちいちムカつく言い方に腹は立つ。
しかし、提示してきた条件は破格だ。
なんで死んだかよくわからないが、ここでこのチャンスを失うのはマズイな、と言うのはわかった。
「おっ、ヤル気だね、よろしい。しかし、一つ条件がある」
何だか目の前がボヤけ始めた。
視界がぐにゃり、と曲がる。
「君には、《その世界を統一してもらうよ》」
その言葉の直後、俺の体から全ての五感が消え去った。
ーーーーー
最初に俺が取り戻した感覚は、風が俺の周りを強烈に吹いていると言う事だった。
風に驚きつつ、目を開き、周りを見渡す。
周りは、空だった。
一瞬で思考がパニックになる。
ヤバイヤバイヤバイ。
せっかく第二の人生貰えたのにいきなり転落死とか笑えない。
どうにかしなければ。
しかし、俺の健闘虚しく地表はすぐそこに迫っている。
そして思い切り地面に激突した。
が、生きている。
体に痛みはなく、手足も動く。
今世の俺の体は丈夫らしい。
その時、背後で声がした。
「ア、アア……」
振り向くと、そこには1人の男が立っていた。
背は俺よりも大きく、黒髪で、目は綺麗と言うかぱっちり大きめだ。歳は20くらいか。
服装は土埃の付いた白い布を下半身に巻いただけ。
そこまで観察し終わった時、その男は叫んだ。
「ア、アヌンナキ……!」
その時、俺は理解した。
ここが日本でない事を。
そして、目の前の男が喋っている言葉の意味を。