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恋に堕ちました3

まさに会合は至福の時でした。

あのルゥが私に抱っこを許してくれたのです。

あの手触りまるでシルクのようでもう思い出すだけでうっとりしてしまいます。

なんといっても今回の戦利品の素晴らしさと言ったら言葉に言い表せない。

家に戻ってからもそれを眺めながらにやけるのをやめられなかった。


私がうっとり眺めているものは異国の技術、写真である。


会合では愛しいにゃんこたちとの思い出を残すべく、写真撮影が行われたのである。

むろん私は愛しい恋人のルゥと映っている。

といっても飼い主であるコーエン様をついでに映っているけれど…そこは妥協しましょう。

私がルゥと抱っこしているのだし!


それにしてもこの美しいルゥをとどめておく技術があるとは…恐ろしき技術力!!

私はその写真を部屋の写真立てにいれると、時間が過ぎることも忘れて眺め続けるのでした。



夜半静かに部屋に入ってくる影があった。

ゆっくりと眠るメルディアナを眺めていたが、ふとその影は部屋に飾られた写真立てに手を伸ばした。

月の光だけが入り込むその部屋でその写真には最近では見なくなった笑顔のメルディアナとその彼女の横で優しく微笑むコーエン子爵の仲よさげに映る姿だった。

影はじっとそれを見つめていたが、音を立てることなく部屋を後にした。


翌朝目が覚めるとなぜか写真立てが伏せられていた。

「寝ぼけたのかしら?大切な私とルゥとの思い出がっ!」

私は立て直すとまたルゥの姿に魅入ってしまったのでした。

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