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海風  作者: 毛利 政宗
5/11

迫りくる病魔

昨日、本当に病院行ってたのかな・・・

今は、放課後、私服に着替えて散歩するっていう

私たちの日課。

今日は、いつもより少し遅い5:57。


「でな!・・・がマジうけたんだよ♪」


どうなんだろ。


「・・・なんなんだよ、人の顔じっと見て・・・」

「えっ、何もないよ」

「・・・嘘・・・」


バレバレか・・・


「昨日・・・〇X病院行ってたでしょ」

「なっ、なんで!」

「智弘くんが見たって・・・」

「そうか、智弘が・・・」


「・・・なんの病気・・・」

「・・・・・。」

「言ってよ!ねえ!言ってよ・・・」

「・・・・ガンなんだよ・・・」


え。


「手術で治るんでしょ・・・」


「・・・・、無理なくらい大きいって・・・・」


「嘘・・・嘘・・・・嘘だ!!

 嘘でしょ??また、からかおうとしるんでしょ、ねえ!!」

「・・・・・・。」


なんで、なにも言わないの・・・?


「なんとか・・・言ってよ!!」

「人美・・・」

「もう、いい!!」


駆け出した。後ろで健太が名前を呼んだ気がしたけど無視した。

走って走って走って・・・・

気づいたら、初めて健太と出会った海が見える場所についていた。


「神様・・・どうして・・・どうして健太なの・・・」


雨がポツリポツリと降ってきた・・・

頬に雨が流れる

目頭が熱い





ああ・・・・私・・・・




泣いてるんだ 頬に流れているのは『涙』なんだ・・・



「・・・人美・・・」

「え・・・健太・・・?」

「ごめんな、ずっと一緒にいられなくて。

 でもな、これから、死ぬまでに色んな思い出を・・・

 お前と一緒につくりたい。」


「・・・・私もだよ・・・」


私たちは、雨の中冷たいキスをした。

キスしているときは現実を忘れられる・・・

でも、『雨』と『二人』の『涙』が現実から

私たちを逃がしてくれない・・・


6:00 ピッ


午後6:00、これは私たちが始めて出会った・・・


『時間』

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