表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海風  作者: 毛利 政宗
10/11

最後の言葉

ー病院ー


今、健太の病室の前・・・

入るのが怖い。また、あの笑顔を見ると

泣いてしまいそうだから・・・


・・・行かなきゃ・・・


コンコン


「どうぞ。」


「私・・・」


「おう!」


「何?行きたい所って」


「屋上!行くぜ!」


「あ、車椅子・・・」


「お前の肩、貸してくれないか?」


「う、うん。」



ー屋上ー


「俺、どうせなら楽に死にたい

 これが、本音だけど・・・

 お前と生きたい・・・」


「うん・・・?!」


急に抱きしめられる・・・


「死にたくない・・・

 死にたくないよ、人美・・・」


・・・健太は、ここまで追い込まれていたのね・・・


「頑張っていきてよ・・・」


「俺だって、頑張ってる・・・

 でも・・・」


「弱音は許さないから。頑張ってよ・・・」


「・・・おう・・・!!」


笑ってくれた・・・よかった・・・


「う・・・」


「え・・・」


健太が、地面に倒れて尋常じゃないくらい苦しんでいる・・・


「健太?!今、先生呼んでくるから!!」


先生を呼びにいこうとすると、健太に腕に掴まれた。


「い・・・く・・・な・・・」

「それは・・・できない!!」





そして、健太は集中治療室にはいった。





ー5時間後ー



「まだか!!」

「智弘、落ち着いて・・・」


あの後、舞と智弘くん、おじさんおばさんが駆けつけた・・・


そして・・・集中治療室のドアが開いた


「うちの健太は?!」


「・・・もう、意識が戻るかわかりません・・・ 

 もしかしたら、このまま・・・」


「そんな・・・」


おばさんが、泣き崩れるのを、おじさんが支えているのが

視界の隅のほうに見えた・・・


「あの、今、会えますか・・・」


「会えますが・・・意識はもどりませんよ?」


「かまいません。


 あの、舞、智弘くん、おじさん、おばさん・・・

 二人だけがいいっていうのは、わがままですか・・・?」


「・・・わがままじゃないぞ・・・

 健太も、人美ちゃんが1番特別だって言ってたからな・・・」

「そうね・・・健太もその方が喜ぶわ・・・」


「ありがとうございます。」


「早く、行ってあげなよ。人美。」

「行って来い!!」


「ありがとう」


集中治療室のドアをあける・・・


その部屋の真ん中にあるベットに、

呼吸するだけの健太が横たわっていた。


「健太・・・?」


「う・・・ん・・・?」


「起きれるじゃん」


「人美・・・の声なら・・・起きれる・・・みたいだ」



よわよわしく笑う、健太。



「ねえ、健太の本音も聞いたんだから・・・

 私の本音も聞いてよね・・・」


「お・・・う」


「死なないで・・・生きてよ・・・

 神様は悪魔みたい・・・」


「・・・・それ・・は・・・できない・・・・」


「分かってる・・・

 


 私の未来にも

 生まれるかもしれない子供にも・・・

 健太が必要なの・・・

 健太がいない未来なんて・・・



 考えられない!!」



横たわる健太にすがりついて泣く。




「ひ・・・とみ・・・よく・・・き・・・け・・・」




「なに・・・?」









残り







『1分』





次回ついに最終回・・・

健太の最後の言葉とは・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ