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魔女たちの救世主  作者: すずたん
一章 炎乃姫と氷乃姫

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四話 いつもの日々3

 気のせいかもしれないがアリスとゼロの間に溝があるように感じる。

 それにアリスとゼロが話しているところは多い気がする。

 まあ、それはおいといて。


「ゼロ先輩、おはようございます」


 ルルは物怖じせず平常心で丁寧にゼロに挨拶した。


「ふふっ、おはようございます。ルル君」


 ゼロは微笑む。

 そして、校舎に入っていく。


「…………なあ、あの人なんだったんだ? それにルルはよく物怖じしなかったな……どうしてだ?」

「……ホント……いったいどうやって?」

 

 ストームとアリスが疑問符を浮かべる。

 

「……だって、ゼロ先輩いつも寂しげというか……悲しげというか……まあ、そんな負の感情を感じたから、挨拶の時は丁寧に接してなら喜ぶかなって、思って挨拶してたら、いつの間にか物怖じなんてしなくなったよ」

「…………そうか」

「…………そうなんだ」


 なんかよくわかってなそうだった。



 三人は自らのクラス、2の2組に入って、いつもの真ん中列、その真ん中に座った。

 大学の講義室のようなスタイルをこの学園も二十年程前に取り入れ、この教室もそうだが、今は学園シャル全体で当たり前になっている。

 ちなみに取り入れた当時は反発が大きかったらしい。

 『伝統を大事にしろ』との。

 まあ、そんな事はどうでもよくって、今はこれから始まる授業に集中することにした。

 そして、チャイムが鳴って2の2組担任教師である身長自称185センチメートル、赤髪ショートヘアー赤色の瞳でスーツ姿の二十五才の男性、フリレンテ・ウィーザが入って教卓についた。


「はーい、授業始めますー」


 だらけた感じで彼はそう言った。

 というかいつもだらけた感じ。

 しっかりする時はしっかりしているが。


「えー、今日は世界の国々や都市について改めて知っておこうという内容でまず一時間目はやっていこうと思いまーす。では、この大都市アルメジアからでーす」


 するとフリレンテはアルメジアの図をいとも容易く超絶綺麗に書いて見せた。

 これには生徒から『おー』と感心の声が上がった。

 そう、フリレンテは絵を描くのが超絶上手いのである

 ま、それはおいといて。


「わーうれしい。で、アルメジアについてですが、ここはみんなが知っている通り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()です。今のご時世珍しいですねー。国々が魔女を使って戦争してるっていうのに」


 ……現実は非情だ。

 今の時代では魔力を持つ者である十一人の魔女は一人を除いて全員戦争の道具に使われ、時に英雄として、時に悪魔として報道される。

 もしかしたら炎乃姫(ほのおのひめ)に両親を殺されたルルだが、あくまでも勝手に思っているだけなので炎乃姫含め、どの魔女もかわいそうだなと思っている。

 

(もし助けられるのなら助けたい……でもそんな力はない……はぁ)


 心の中でため息をついた。

 戦争では魔女だけではなく、魔女から魔力を抽出し、空の人造兵器に魔力を入れ、魔女の指示で──とはいえ味方や自国には攻撃できないよう作り出されている──攻撃できる仕組みの魔乃騎士(まのきし)という兵器も戦場にはある。

 魔女どうこうだけの問題ではない。

 それに魔乃騎士とは比較にならない程魔女は力を持つと言われるため、そもそも魔女もどうこうできるというわけではない。

 ま、要は机上の空論すら立てられない程、絶望的というわけなのだ。

 ──でも、それでも苦しんでいる人が居るなら。


「おーい。ルルさーん。うつむいてるけど、意識ある? 大丈夫?」

「あっ! はい! 大丈夫です!」


 と、考えてこんでいると先生に気にされた。

 右に居るアリスと左に居るストームも心配そうだ。


「……ルル、大丈夫?」

「……体調わりぃなら保健室に連れていくぞ」

「……大丈夫。ちょっと考えごとしてただけ」


 安心させれるよう、そうボソボソと言った。


「……ま、大丈夫そうですねー。では続けます。えーどこからだっけ? あ、そうそう。今、どことも停戦中にあるカイリアと、そのカイリアに戦争を仕掛けるのではと、噂されるフレンゼのところでしたねー」

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