表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界料理アカデミー ~掃除人の俺、謎スキル「異次元デパ地下」で料理革命~  作者: 武野あんず


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/58

第28話 異次元デパ地下の秘密解明?

「――さあ、死神が舞い踊る地――禁足地(きんそくち)へ出向きましょう」


ポレットがたどたどしく俺とニコルに告げた。


さっきは「悪魔と死霊が飛び交う地獄の門の前」と言っていたが、コロコロ変わってるな……まあいいか。


◇ ◇ ◇


「よっし! 携帯端末――【WENDY(ウェンディ)】 で、禁足地を動画で撮影しよ~っと!」


ニコルはケラケラ笑った。


もし俺が言ったら、地元民に三メートル助走をつけて殴られそうだ……。


さて――山道の川下に行き、ようやく昨日の古ぼけた神殿を見つけた。


「す、すごい……。全身に妖気を感じるわ……」


ポレットが森に囲まれた石造りの神殿の入り口を見回しながら、恍惚(こうこつ)の表情でつぶやく。


大理石のマーブル模様が美しいが、柱も床もツタだらけだ。


カビ臭いし、青臭いぜ、まったく……おや?


『絶対に入るな! 罰金を取ります。呪われます。地獄に落ちます! ――エルサイド島住人』


入口の横には()びだらけの看板が立てかけてある……。


あ~もう、ひでえことが書かれてあるな。


「やっぱ、ヤバいんじゃねえのか……ここ……」


俺が躊躇(ちゅうちょ)していると、ニコルがWENDYをリュックから取り出した。


「さぁ、中に入ってみよう! 冒険の始まりだぁ!」


ニコルがWENDYを片手に神殿内に、さっさと入ってしまった。


行動力の化身か、こいつは……。


◇ ◇ ◇


「うん……?」


神殿の内部に入ると、不思議なことに廊下全体が明るかった。


廊下はエメラルドグリーンに染まっており、壁も床も自ら発光していた。


まるでこの古びた神殿が、生きているようだ……。


魔導(まどう)電灯でもついてるのか?」

「ウフフフ……古代の秘められし魔力の輝き……」


ポレットがクスクス笑った。


俺はポレットに気になっていたことを聞いてみた。


「ポレット、お前も『異次元デパ地下』を知っているらしいが」

「ええ……。私も異次元デパ地下から材料を取り出せるわ」

「な、何いっ?」


俺は目を丸くした。


ほ、本当なのか?


しかしポレットはため息をつきながら答えた。


「だけど、私は料理技術があまりないから……」

「う、うん? そうなのか」

「受験のときは材料と道具を取り出したら、協力者(パートナー)のナンシーに調理をまかせっきりだったわ」

「へ、へえ……よく受かったな」

「私は神に選ばれし人間……」


ポレット、お前は自信があるのかないのか、どっちなんだ。


するとニコルが声を上げた。


「ねえ、こっちに何かあるよ! ヤバ~!」


廊下を進んでいくと、病院のリノリウムのようなタイルが敷かれた廊下に出た。


両側に部屋があり、右手の部屋をのぞきこむと……。


「う……わ!」


俺は驚愕(きょうがく)した。


「こ、ここは異次元デパ地下じゃないか!」


この部屋の銀色の厨房(ちゅうぼう)と冷蔵庫、商品棚の列は、まさしく異次元デパ地下内部そのものだ。


俺の異次元デパ地下よりは狭いが、商品棚が五列並んでいる。


商品棚には何もないが……。


「こ……ここは異次元デパ地下の『原型(プロトタイプ)』が配置された場所だわ……」


ポレットが静かにつぶやいた。


プ、プロトタイプだと?


「『原型』という意味よ。私たちが使っている異次元デパ地下の古いバージョン……だと想像するわ。狭いし……」

「俺の異次元デパ地下と、ここは繋がっているのか?」

「いいえ、こことあなたの異次元デパ地下は繋がっていない」


ポレットは両手を合わせて神に祈るように話した。


「きっとあなたの異次元デパ地下は、別の場所の神殿と繋がっていると思うわ」

「べ、別の場所……」

「でも、ここと誰かのスキル……古い異次元デパ地下のスキルは……かつて繋がっていた」


頭の中の整理が追いつかねえ……。


と、とにかく、異次元デパ地下は幻想のものじゃなくて、実際に存在する……そういうことなのか?


「誰がこんなものを作ったんだ?」


俺がつぶやいていると、ニコルの声が外から聞こえた。


「ねえ、こっち! きゃあああ、マジでついに見つけたわ~!」


神殿の裏口に出ると、そこには大きな川があった。


う、うおおおおっ!


ほ、細長い魚がたくさん泳いでいる!


「リクト、見てよ~! これが『ドラゴンフィッシュ』に間違いないよっ!」

「ほ、本当かよ! ……でも形は長細いな」

「そうね……! これはドラゴンフィッシュ……いえ、違うわ」


ポレットは注意深く川の中の長細い魚を見た。


「これ、ウナギよ……!」

「ウナ……ギ? 何だそれ?」


俺はニコルと顔を見合わせた。


「リクト……。あなたも日本人の前世がついているのなら、知っているはずよ……。この最高の高級魚……ウナギをね……!」


ポレットは断言するように静かに話した。


ウ、ウナギって何なんだ?


こ、こんな細長い魚、本当に食えるのかよ?

【作者・武野あんず からのお知らせ】

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

もし少しでも「面白かったよ!」「この先が気になるな~」と感じていただけたら、☆や「ブックマークに追加」で応援していただけると、とても嬉しいです。それが作者の元気の源になります(笑)

次回もぜひお楽しみに♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ