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伝説の剣をゲット!

廃屋にて。

結局お付きの者は姿を消した。

魔女に指摘されて逃げざるを得なかったのでしょう。

そう言えば彼女は最近おかしいと誰かが話してたっけ?

でも逐一報告をするのは別に悪いことではありません。

命令に忠実なだけではないでしょうか?

もし魔女の追及を受け居づらくなったのだとしたらボクにも責任がある。


「どうでしたお散歩の方は? 」

魔女は心配した様子をまるで見せない。ここが安全だと理解しているから。

魔王令を受けたクマルによって軟禁状態。

だから当然魔王様は居所を把握している。

ただ魔王様が会いに行くこともクマルに連れて行ってもらうこともできない。

かなりおかしな状況。魔女も魔王様も知っているのに国王様はまだ。

ボクの運命は魔王様と魔女任せ。

もちろん勝手にここを抜け出せば怒りに触れることに。

魔王様が魔王様だから。クマルがクマルなら魔王様も魔王様。


「つまらない! 刺激が欲しい」

「馬鹿言ってないで大人しく留守番してな」

一人で出かけるらしい。

「お願い! ボクも連れて行ってよ! 」

「それはダメ! 森の奥まで行くんだよ? 危険だって」

魔女は完成させた毒薬を届けに行くらしい。

「ちょっと待ってよ! 見てるとついそのリンゴが食べたくなるのよね」

お腹が空いてどうしようもない。

この腐ったリンゴでさえもおいしそうに見えるほど。

食糧を置いて行ったがそれを作る者がいない。

お付きはどこかへ? 魔女は毒リンゴ作りに熱中。

ボクは作ったことがない。姫様なのだから当然です。


「それでしたらゴールデンアップルが机の上に」

金色に輝くゴールデンアップルは最高級で献上品になることも。

一度食べた記憶があります。それからは縁がないのか時期が悪いのか……

「帰るまではそれで我慢して。または木の実でも勝手にどうぞ」

放っておかれる。姫様だと言うのに何て雑な扱い。酷い! 酷過ぎる!

問題はそれよりもあの腐ったリンゴの行方。

何としても魔女の陰謀を阻止しなければ。

気付かれないように追いかけることに。



魔王様の隠れ家。

「クマルはどうした? 」

「またですか? 今日何度目ですか? きっとお疲れになってるんですよ」

反抗的な態度。この魔王様を舐めてるのか? 

「うるさい! 奴がまた失敗するかと思うと居ても立っても居られないのだ」

「魔王様はクマルにご執心のようですがもう少し平等に扱ってもらわねば」

まさかの意見。この魔王様に何たる言い草。

「だが重要な任務に就いている者の心配するのは当然であろう? 」

ついついクマルの肩を持つような態度を取ってしまう。

ただちょっと複雑なんだよな。

クマルが成功することはないと放置すればいいがそうもいかない。

「お疲れのようですね魔王様。いつものを者たちを呼んでいますのでどうぞ」

そう言うとすぐにどこからか女の子たちがやって来る。

これでようやく息抜きができる。

今まで抑えていたものを解放。

さあ嫌なことは忘れて楽しむとしよう。


「では魔王様お召しものをお脱ぎください」

こうして嫌がりながらも服を脱がされる。

何て大胆な? 仕方がない付き合ってやるか。

ふう…… 堪らないぜ。

つい魔王らしからぬ軽口を叩いてしまう。



勇者・ノア宮殿到着。

「馬車を飛ばしどうにか攻撃を受ける前に到着。

「国王様! 」

詳しい報告をし伝説の剣探しに戻る。

まさか鍵がないとは普通思わない。

「急ぎましょう国王様! 」

「よし。さっそく魔王を倒すぞ! 」

コレクションルームに行き鍵を開ける。

ついにお目見えになった妖しく輝く魔剣。これが伝説の剣。

危うく剣に心を奪われ切りかかりたい衝動に襲われる。

仕方ない。ここは伝説の書を切り刻むとしよう。

伝説の書と言っても国王の下手くそな落書きのことだが。

では試し切りでもしますか。


ギャンギャン

ギャンギャン

大騒ぎするメイドに諭され外へ。ここは宮殿だからな刃傷沙汰はご法度。

仕方ないか。だったら他のものを……

中庭で魔王の幻影を切り刻む。

うん。ボクは大丈夫。もしもの時にその手を緩めはしない。


姫の方が心配だよな。

姫…… どのようなお姿だったか思い出せない。

それもそのはず。噂でしか聞かされてないアーノ姫。

実際に見ればその姿に腰を抜かすほどの美しさなのでしょう。

だがボクには姫が見えない。

そんな姫を。見たこともない者を切れるのか?

何もしてない姫を切るのか?

ボクは勇者ではないのか? 姫をお守りするナイトではないのか?

それなのにそれなのにボクはボクは……

とても姫を手にかけられそうにない。


「ああ隊長こんなところにおられましたか? 」

「ちょうどいい。ちょっとそこに立っていてくれないか? 」

仲間を切るのがどのような感触なのか?

「はい? どのような…… うわやめてください隊長! 

気を確かに! 何をしてるんですか! 」

危うく魔剣を振り下ろすところだった。

あれ…… まずいもう振り下ろしていたようだ。

ついに魔剣の餌食になる。

こいつは一番若く皆からいい様に扱われていた。


「隊長何を! 」

副隊長に咎められる。

「いやこれは悪ふざけで。魔剣の切れ味を試していたんだ」

「言い訳はいいからその剣を捨てろ! 」

混乱する宮殿内。周りには徐々に人が集まり始めた。


               続く

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