表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

190/205

カウントゼロ

ケイジは真犯人と思しき人物を確保。

マンホールの締め忘れは重過失ではあるが刑事事件とまでは言えない。

ならば彼はなぜ連行されていくのか? 

事情聴取されるだけ? 確かに警察は事件性があるなしの判断をし送検するが。


「教えて! 彼は今どこにいるんです? 復活させなければいけません」

顔を覆い泣き喚く男を追い詰める。

慈悲深い女神様がこのような仕打ちをしてしまう。心が痛まないはずがありません。

しかし反省してようと泣き喚こうとその原因を取り除くことが大事。

そうすればなかったことになる。それが一番。彼を救うことにもなる。


「どこ? 」

「それは…… 分からない」

どうやら動揺してるらしい。ここは一旦落ち着くまで待つしかなさそう。

できるだけ早く話が聞けるようになれるといいのですが。

悠長には構えていられない。一刻も早い解決が求められる。


「ほら邪魔だ! これ以上話しかけるな! 」

ケイジの横柄な態度。いかにも面倒だと。

目的は伝えた。それでもまったく協力しない男を諦め違う手を考えるしかない。


「ケイジさんせめて居場所だけでも…… 」

しつこく迫るがケイジが痺れを切らして暴挙に出る。

「よし逮捕だな。公務執行妨害だ! 」

容赦しない。

「何を言うんですか? 逮捕だなんて…… 」

「だったら今すぐここから離れろ! 」


カメラが動きを察知しなだれ込む。

「速報です! 今動きがありました…… 」

どうやら勘違いしてこちらにカメラを向け始める。

もう限界。残念ですが急いでこの場を離れるしかない。


「オマワリサンありがとう」

こうして現場を離れ病院を当たることに。

待っててね愚か者さん。今すぐに助けますからね。



その頃異世界・ザンチペンスタンは最期の二日目を終えようとしていた。

結局勇者・ノアから託されたが姫はどうすることもできずにいた。

武器の調達に失敗しバトンを魔王様に渡すことに。

これでザンチペンスタンに残された希望の星は魔王様だけとなってしまった。

それは異世界の消滅を意味する。


ふふふ! ははは!

ノアの諦めとアーノ姫の涙。そして魔王様の馬鹿笑い。

もはやこの世界は魔王様のものとなってしまった。

そしてタイムアップ寸前。


最後の三日間は禁断の三日目に突入することになる。

魔王様に心があればどうにかなるだろうがそれに期待するのは愚かしいこと。



「ふう疲れたね」

始まりの地には魔女の姿が見えた。

「お疲れ様。それでどう? 」

「女神様にも姉さんにも悪いけどねもう無理でしょう。

期待する方がどうかしてるよ。

もし大魔法さえ使えたらあり得たかもしれないがね。でももうないでしょう」

魔女はもう諦めたらしい。


「あなたがいれば…… でもそれはあまりに不公平なので戻された」

「姉様もう何も気にせずにザンチペンスタンの行く末を見守りましょう」

「そうね。これで女神様の悪い予感が当たったかな。

あの愚か者一号はどうやら最後まで期待には応えられなかったらしい。

それが彼らしいとも言える。私を妖精と侮って尊敬せずに舐めてたからこんな目に」

つい魔女の前で愚痴を言ってしまう。


「そうすると今度は新世界・スクイーラに派遣されるのでしょうか? 」

魔女は今後の身の振り方を考えてるよう。

「スクイーラか…… あそこも決してユートピアでもなければ平和な世界でもない。

ただ人間と化け物が常に争いを繰り広げれている絶望的な世界」

新世界・スクイーラについて語る。

「そうですね。あそこは私もあまり近寄りたくありません。

魔女が迫害されそうで嫌なんです」

心配するが当然そんな心配も懸念も無用だ。

お助けキャラとして陰ながらだから。


「では明後日以降にさっそく行ってもらえないかしら? 」

新世界・スクイーラへ。

「早過ぎませんかお姉様? 」

魔女がごねる。

「悪い。でも愚か者三号が旅立ったからそのサポートに回って」

「もうお姉様! 人使いが荒いんですから! 女神様のご命令とあらば」

実際は行動派で飽きやすいのでここでゆっくりしているのが性に合わない魔女。

もう心では決心はついているのでしょう。


「女神様は今回は関係ないの。私がついて行ってもよかったんだけど留守番役だから」

さすがに女神様が戻って来るまで離れる訳には行かない。

それは女神様を裏切ることにもなる。この始まりの地を疎かにもできない。

「分かりました。お姉様の頼みとあれば断る理由がありません」

魔女はこういうところかわいいところがある。


「それでちなみに愚か者三号は何に転生したのです? 」

「それが…… 大きなネズミに」

「まさかこの魔女に触れろと言いませんよね? 嫌ですよ」

「いえ見守るだけで結構。後は自分で何とかするでしょうから」

魔女に無理やり押しつける形になったがこれも女神様不在の緊急事態。

多少の我慢を強いられるのも仕方ないこと。


こうして魔女に命令しどうにか態勢を整える。

それにしてもどうしてこうトラブルが舞い込んでいる訳?

女神様! ああ女神様!

どうぞ未熟なこの妖精をお導きください。


異世界・ザンチペンスタン。

カウントテン。

二日目も残り十秒を切る。

間もなくタイムアップ。

これににより主役が変更されることになる。

アーノ姫から魔王様へ。


「お願い! 約束だけは守って! 」

懇願するアーノ姫。約束を取り付けようとするが果たしてうまく行くのか?

「約束? ああ契りを結ぶと言うあれか? 」

魔王様は浮かれに浮かれている。

情けないことにこれではクマルと大して変わらない。


                 続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ