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魔剣消失! 犯人はまさかのボク?

伝説の不老不死の実を求めロイデン村までやって来た。

そしてついに今その正体に迫る。


「この爺さんの言ったことは本当か? 」

爺さんの代わりに案内役の先生を問い詰める。

「私には何とも。恐らくそうなのではないかと…… 」

自信がないと俯いてしまう。これはダメだ。直接聞くとしよう。


「黒い実でいいんだな? 」

「ああ行けばすぐに分かる」

「それともう一つ。この村で最近人が変わったと思われる者はいないか? 

あるいはおかしな人物でもいい」

せっかくならこの問題も早く片付けたい。

だが当然だがこのことは手下には伏せている。女神様命令だからな。

いくら魔王様でもこれ以上勝手な行動を取れば疑いがかかる。

そうなればただでは済まない。

あり得ないことではあるが反乱の恐れも。それだけに慎重さが求められる。


「どうだ? 思い出したか? 」

「残念ながら噂さえない。しかしなぜあんたは村の者の心配をしてくださる? 」

「いや…… 少し気になっただけだ」

「それはおかしな話。お主は人間ではなかろう? 」

「ボグ―! 」

「何を? 」

「爺さんは大人しく従えばいいんだ。この魔王様に逆らうな。

それに余計な詮索もよせ。寝てればいいんだ」

病人の爺さん相手に我慢できずについ吠える。

「それは済まんかったな。ではお言葉に甘えようかの」

そう言って笑う。まだまだ元気らしい。


さっそく崖の近くに成る伝説の不老不死の実を収穫することに。

人間であれば危険もあるだろうがモンスターには羽根がある。

「しかし魔王様。本当に役に立つんですか? 」

疑問の声が上がる。

「うるさい! 取って食ってみれば分かることだ! 」

そうは言ってみたものの実際に食べるとなると緊張する。

どうする?   

ひとまず手に取ってみることに。

匂いを嗅いでみるとほのかに甘酸っぱさが香った。


「ああそこの方。これは神聖な木の実だ。食べない方が身のためさ」

お節介な通りがかりの村人に止められてしまう。

「おい何を言ってやがる? これを食えば不老不死になると聞いた。違うのか?」

どうもよく分からない。

「ああまた騙されたんだね? その噂はねただのデマだよ。よくいるんだわ」

「そんなこと信じられるか! 」

「別に好きにするといい。ただあれを食べたからって不老不死にはならないさ。

逆に高熱にうなされて苦しい思いをすることになる。

悪いことは言わないから止めておきな」


くそ…… 嘘を吐いてるようには見えない。親切にも教えてくれた。

そのくらいのことで怯むような魔王様ではないわ。

「この魔王様に諦めろと言うのか? 」

「そうだ。悪いことは言わねえ。伝説は伝説だ」

そう言われると引き下がるしかない。

「本当だな? 本当に本当だな? 」

いまいち信用できないので念を押す。

「ああ余ったのは鳥の餌にでもするんだな」


木の実を捨て諦めることにした。

「さあ私の家に来なよ。本当のことを話してやるから」

そう言われてしまえば従うしかない。

手下を連れて崖近くの家にお邪魔することに。



その頃宮殿では。

消えた魔剣捜索に当たる。

前回は鍵が掛かっていて苦労した。

そのためにメイドのところまで取りに行った苦い思い出がある。

今回はいつの間にか消失した魔剣。

国王は勝手にどこかに行ったと言うが管理してる者が怪しい。

そこで責任者のメイド話を聞くことに。


「ああ魔剣ですか? それでしたら借りると…… 」

そこで口を噤む。これは相当怪しい。ただ関与しても犯人と言う訳ではなさそう。

とは言え事情を知っているのは確か。

「なぜそのことを国王様に報告しない? 」

「はあ…… 」

問いただすも気のない返事。これはますます怪しい。

まさかまさかこの者が魔剣を持ち出した張本人? 

だがブンブン首を振るばかり。埒が明かないので強引に聞くことに。


「知っているなら詳しく話せ! 何が起こっている? 」

追及せざるを得ない。これは王命なのだから。

「本当によろしいんですか? 」

「はあ何を言っている? 当たり前だろ? ボクを信じろ。さあ早く! 」

「だから…… 隊長あなたでしょう? 黙ってるように念を押したくせに。

まだ返すつもりはないのですか? 」

メイドはとんでもないことを言いだす。だがもちろん身に覚えがない。

人に罪を擦り付けるつもりか? そんなあくどい真似…… 

でも待てよ。もしこの者が言うのが正しければどうだ?


「まさか本当なのか? 」

「何を今更おっしゃってるんですか? 」

「本当に本当か? このボクが君に命じたんだな? 」

「ええ。覚えてないんですか? 」

「いや…… 覚えてる。済まない。君を試すようなことをしてしまった」

まだ納得してない部分はあるがとりあえず様子を見ることに。

「そうですよ。こっちは止めたんですからね。それを無理やり…… 」

メイドが嘘を言ってるようにはどうしても見えなかった。

そうかこのボク自身が大事な大事な魔剣を持ち出したのだろう。


ようやく持ち出した不届き者が見つかった。

うーん。まさかのボクとはね。国王でも見抜けまい。

とにかくどこかに置いたのだろう。さあ急いで探さねば。

とは言え記憶にないのはなぜだろうか?


よし妖精に話を……

ダメだ。お助けキャラの妖精はトラブルのせいで女神様に付きっ切りだった。

これはまず一大事だぞ。自分との闘いになりそうだ。


とりあえず宮殿内を捜索するとするか。


                 続く

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