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茶飲み話をしましょう。

ひとまずそろった皆さんには着席をお願いした。

テーブルのこちら側には私とグィネヴィアさんが座っており対面側にはコトさんとヨハネさんが座っている。

テーブルの中央には沢山のお菓子やサンドイッチが置いてあるし全員分のお茶も入れたので準備は万端だ。

話の段取りは…コトさんにお任せしていればきっと大丈夫だろう。


「ひとまずは…交渉のテーブルについていただきありがとうございますグィネヴィアさん。自己紹介させていただきますと…僕はそちらのメルナさんの友人であり。本日からこちらのヨハネさんから工場長(プレジデント)を引き継ぎ今後の連合国を取り仕切ることになりました。コトといいます。」

「あっ。グィネヴィアさんはスコーンでよかったですか?クリームチーズとジャムをたっぷり乗せましょうかね。」

「…ありがとう。いただくさね。…それで?その工場長(プレジデント)さんがギルドの長であるこのあたしに何の用があってきたんだい?茶飲み話をしに来ただけってわけでもないんだろう?」


「…まあ予定を立てた当初はそのつもりだったんですけどね。思った以上にとんとん拍子で話が進みまして…。本日こちらに伺った最大の理由は停戦と同盟の提案ですよ。」

「はっ。いきなり本拠地まで攻めてきて戦争をやめて仲間になれって?…断ると言ったらどうなるんだい?」

「…そうですね。そんなには簡単にいくとは思ってないですよ。まずはこの世界が置かれている現状について説明させてもらう感じになりますね。」


「…冷めちゃうので食べながらお話しませんかね?」

「そうしましょうか。…この世界が抱える問題と無関係でもないですしね。」

「…なあ。ワタシは帰ってもいいかな。もう工場長(プレジデント)は君なんだしワタシは関係ないだろう?」

「だめですよヨハネさん。あなたにもこれからやってもらうことは沢山あるんですから。…あなたも無関係ではありません。」

「あっ。ヨハネさん…?もよかったらこれらのお菓子食べませんか?結構おいしくできたと思いますので…。」

「はぁ?穢れたエルフが作ったものなど口にするわけが」

「ヨハネさん。僕の友人に今なんて言いましたか?…そして計画の邪魔をする為にあなたはこの場にいるということですか?そうなればここにいるあなた以外の3人はあなたの敵ということになりますが。」

「…いや。勘弁してくれ。君一人を相手にしてもまともな勝負もできなかったのにそこにエルフが二人加わって敵うわけがないだろう。」

「こちらのエルフの二人へは最大限の敬意を払ってください。…これは上司である僕から部下であるあなたへの命令です。」

「…わかった。だがそちらのエルフが何かをして来たら自己防衛くらいはさせてもらうぞ。」

「はい。それでいいです。…グィネヴィアさん。今日は突然こんな不意打ちをするような格好になってしまって申し訳ないです。…今日はあくまでも平和的にお話をしに来ただけですので…あなたに無礼を働くつもりはこれっぽっちもないです。」

「…そうかい。…まあ。あたしとしては戦争にならないっていうんならそれでいいんだけどね。」


「それについてなんですが…。今から約半年後。この世界に宇宙からの侵略者たちが来るということからお話をさせていただきます。」


いきなりぶっこんでくるなあコトさんは。

…二人とも固まってしまっている。

「…いったいあんたは何を言っているんだい?そんな事を今日初めて会った相手に言われたところで信じられるはずがないだろう?」

「ああいや。そちらのコトさんが言っているのは全部本当ですよ。このままだと侵略者が…攻めてくるので私達を含めこの世界の人達全面戦争をすることになります。」


「…作り話だとしてもスケールが大きすぎてどういう反応をしたらいいのかわからないね。」

「残念ながら。作り話でも何でもなく事実です。…こちらのヨハネさんにはもう説明はしてありますが…。」

「ワタシも半信半疑だがね。…あり得ない話だと笑い飛ばすこともできるが…それにはあまりにも計画の準備に手間をかけすぎている。グィネヴィア。君もそうは思わないか?」

「…たしかに。話は突拍子もないし意味が分からない。だが…こちらのメルナも。そちらのコトという男も…。そうでなければ行動の説明がつかないというか…。話を聞いてようやくそういうことだったのか。と納得できるのも確かだわね。」

「…それに…例えばこの二人が嘘をついてワタシをだますためにこんなことをしているとして…。何の得になるのかが全く分からないからね。」

「それをいうならこの二人が本当のことを言っていたとしてもなんのためにこんなことをしているのかもあたしにはよくわからないしね。」



「あのぉ。お話大体まとまったようでしたらそろそろいい加減私が作ったお菓子を食べてください。皆食べる食べると言いながらも話に集中してしまってさっきから誰もお菓子を食べていないじゃあないですか。」

「あっ…ああ。すまない。」

「しかしだねメルナ。今は大切な話し合いをしていて…。」


「平和のための話し合いでしょう?でしたら猶更みんながお腹いっぱいになってからですよ。」

「空腹は平和の一番の敵ですから。まずはみんなでお腹いっぱい食べてから話し合うことにしましょう。」

「なんのために私が。みんなの為にご飯を作ったんだと思っているんですか。」


そうして私が全員にかなり強めに注意を施したことで。

私達4人はようやく全員が食事を口に運んだ。

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