グィネヴィア
3つの勢力をそれぞれ取り仕切る3人の傑物の話をしよう。
『連合国』の工場長ヨハネ。
『ギルド』の大魔女グィネヴィア。
『センゴク』の災害ゲントク。
それぞれが各勢力をまとめる手腕を持ちながら戦闘となれば一騎当千と言われるほどの実力者だと言われている。
私はギルドを任されたのでひとまずグィネヴィアさんという方を訪ねることにしたのだった。
しかし。相手は大勢力を取りまとめる実力者であり。もちろん会ったこともない。
そんな相手にどうやってコンタクトを取ろうかを考えていたのだが…。
「ねえ。あんた。名前はなんていうの?」
「な…名前は。メルナです。メルナ・リードと言います。」
「ああそう。メルナ…メルナねえ…。ああ。あたしの名前はグィネヴィア。」
「え…グィネヴィアさん…ですか?」
「あんた…1000歳超えてるね。どうしてここへ?あんたのこと初めて見るけれどもさ。」
「あっと…。初めましてですね。…何とか力になりたくってですね…。」
思いがけずいきなりグィネヴィアさんと出会うことができてしまった。
私達は現世へと到着しそれぞれ担当の勢力の本拠地へと向かったのだが…。
ギルドの拠点がある村へとたどり着き村をふらふらとしていたらギルドの募集を見つけ。
これはちょうどいいと「募集を見てきました」とギルドへ行ったらいきなりグィネヴィアさんの御前へと案内されてしまったのだ。
グィネヴィアさんは背も胸も大きくどこか妖艶な雰囲気の女性で水色の長い髪をしている。
えっと…私ギルドに来たばっかりなのに…どうしてこんなことに?
というより私の年齢パッと見てわかるの?
「力になってくれるのかい?もし本当にそうなら助かるけどねえ。なにせ1000年も生きているエルフはそうはいないからさあ。」
「えっとあの…。私の年齢が分かるんですか…?」
「そりゃあそうさ。同じエルフならみんな大体わかるだろうさね。」
ええ?エルフなら普通分かるものなの…?私年齢ばれてないつもりで今までいろいろやってきたんだけど…。
というか私が他のエルフさん見ても年齢わかんないんだけどなあ。
「ああ。あんた。他のエルフ見ても年齢分からないのか。なるほどねえ。ますますよくわからないねえ。」
どうやらまた意図しないうちに目立ってしまっているみたいだな…。どうしようか…。
「えっと…グィネヴィアさん。あなたの年齢を教えてもらってもいいですか?」
「あたし?ああ。あたしの年齢も知らないのねえ。年齢を聞かれるのなんていつぶりになるか。」
グィネヴィアさんは愉快そうにころころと笑っている。
「あたしは3000歳とちょっとくらいだよ。あんたよりも少しだけ年上だねえ。」
私よりも年上のエルフさんだったみたいだ…。
流石に2000年を少しだけというのは…スケールがでっかいな。
「それでえ?あんたはなにができるんだい?ギルドの新人募集に来た1000歳を超すエルフさんは…。メルナさんはいったい何の為にこんな森の奥まで来てくれたんだい?」
「私は…。ギルドの力になるためにここまで来ました…生まれは…理由有って明かせませんが」
「へえ。生まれが明かせない、か。面白いことを言うね。」
「私は…この『ギルド』へ…美味しいご飯を提供する為にやってきました!」
「んんん?そうなのかい?いや。食料がなくて困っているのはずっとそうなんだが…。あんたにどうにかできるのかい?」
「はい。私はそのためにやってきました。お腹を空かせている人がいる場所を教えてください。」
こうして私の「みんなお腹いっぱいになったら平和になるんじゃないか作戦」は始まりを迎えることになる。
私は…今回こそは平和裏に話を進めるために頑張るのだ。