シロクロ先生の楽しい楽しい夢と展望
ハローハロー!
突然ですがDr.シロクロちゃんからみなさんに質問です!
科学が発展する時というのは一体どういう時だと思いますか?
美味しいご飯が食べたい時?いいですね!
便利な何かを作りたいと思った時?それもありますね!
大切な誰かの為に?きゃー素敵!
ただ満ち足りた人が作る何かは得てして革新的な発展とはなりにくいものです。
辛い。苦しい。死にたくないと思った時にその状況を変え得る『なにか』を求めた時!その時に科学は発展する可能性が生まれるのです!
つまりは強い動機!ブライトママの例で言えば『神様を倒したい!』と思ったことが該当しますね!
植物で例えれば種の部分ですね!
でもでも動機だけではなかなか事件は起こりません!
当然の事ですよね!だってだって『やりたい!』と思った事が全員全部やれるほど世の中甘くありません!
お腹が減った!何か食べたい!と思っても周りに何もなければ絵に描いた餅です!
科学的な発展を起こす為には必要なファクターを揃える事が大切ですね!
実際的に必要となるのは科学を理解できる人間の知能だったり識字率だったり研究の為の施設だったり研究対象の素材だったり…!
つまりは種を芽吹かせる土壌が必要です!
そして後押しする『理由』ですね!
人は案外動機と土壌があっても事には及びません!
それを後押しする大義や正義もしくは行動のハードルを下げる何かが必要なのです!
植物の例えだと水と太陽ですかね?ちょっと違うかな?まあいいやえっへっへ!
ではでは!長くなりましたがじゃあどうするの?って実際論をば!
これさえあれば全部解決!科学発展のために必要なものってなあに!
私が出した答えは『戦争』だよ。
戦争には渇望がある。
戦争にはすべての資材が駆り出される。
戦争には大義名分がある。
戦争は。人類のあらゆるステージを限界以上に引き上げる。
戦争は。数多くの人間が壊されそして治される。
戦争は。軍人ではないからと無関係でいられない。
にゃはははは!
皆はどうだったかな?戦争以上に科学を発展させるものを何か思いつけたかな?
さらに戦争を加速させるための要素として『飢え』と『差別』を追加したよん!
これで人類は急速急激に発展し!宇宙からの侵略者達とも立派に戦える素晴らしい世界となるでしょう!
人事は尽くしたのであとは天命を待つのみ!
Let's Experiment!
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シロクロちゃんが創った世界の中では数えきれないほどの戦争が生まれていた。
「ああ…そういうことですか…。」
「そういうことって…どういうことですか…?」
「きっとシロクロさんは…話の前後から考えるに『侵略者』と戦うための世界を創ろうとしてるんじゃないかと…。」
侵略者と?…それにしてもこんなに急いで侵略者と戦う必要ってあるの?
「…まあ。多分世界を創るという行動にテンション上がりきってる感じはありますね…。」
「それで…どうしますか…?」
「ひとまず…様子を見ましょう。」
「ええ!助けに行かなくってもいいんですか?戦争ばかりの現世なんて危ないじゃないですか!」
「それはそうなんですが…シロクロさんの様子を見るに…どうやらこの世界を満喫している様子なんですよね…。」
「えええ。」
「それに…もしこの世界が今のままで発展を続けたら…侵略者とも戦える世界になるかもしれません。」
「でもぉ。」
「もちろん助けを求める状況になったらいつでも助け出します。ただ…それまでは待ってみてもいいかもしれないですね…。」
「…助けを求める様子だったらすぐに助けに行きますからね!」
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長年の時を経て。ようやくこの場所へとたどり着いた。
俺が生まれたこの国は俺が生まれてからずっと戦争をしていた。
俺が生まれた国だけではなく世界中の全てがそうらしい。
人々は。奪い。争い。壊し。殺し。蹂躙し。略奪し。
この世界のほとんどは戦争のためにあるし、俺たちの命も戦争のためにあると習った。
なぜこの国は戦争をしているのか。
なぜほかの国は戦争をしているのか。
俺にはわからなかったが。それでも。頭の悪いおれにもわかることがある。
誰かがこの戦争を止めなければいけない。
そのために俺は何でもしてきた。
戦争をしたがる偉い奴のところに行って話をした。
戦争こそがこの国には必要なのだと演説する奴はとっちめた。
戦争に割り込んで無理やり止めたこともある。
そして。俺は今戦争を引き起こす全ての黒幕がいることを知り。その住処へと侵入している。
こんなにたくさんの戦争が起きているにもかかわらず、その戦争を引き起こしたのは一人の人間だという話を聞きつけた。
最初は半信半疑だった。
だが、俺は何でもすると決めたのだから黒幕がいるというならそいつをとっちめないといけない。
仲間を複数人引き連れて最奥の部屋の前へとたどり着く。
仲間たちと最後の相談をして覚悟を決める。
「よし。作戦通りに行くぞ。まずはドアを開き黒幕と接敵。可能であれば会話による意思の疎通を試みてダメならばそのまま戦闘開始だ。」
仲間たちも覚悟を決めているようだ。
さあ。俺たちの最後の闘いが始まる!
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いあいあ!ようやくやってきてくれたね!
仮想勇者?さん!来ると思っていたよ!待ち焦がれ恋い焦がれていたよ!
「ふはは!いったい何をしに来た!ぞろぞろと連れ立って吾輩になにかようかな!」
ちなみに吾輩というのは私の事だ。ちょっとした演出も大切よね!
「貴様を打ち滅ぼし!この世界の戦争を止めに来た!」
なるほど。期待通りの人材がやってきてくれたようだ!
「ふはははは!吾輩を倒そうというのか!いいだろうかかってくるがいい!こちらも全力で相手になってやろうではないか!」
期待通りの人が着てくれたので私もあちらの期待に応えた挙動をこなす。
「さあ!御託はここまでだ!吾輩の全力を見せてやる!命を捨ててかかってくるがいい!」
「俺は負けない!命を捨てるつもりもない!ここで貴様を打ち滅ぼし!平和を手に入れるのだ!」
なんかマジっぽい人も出てきたのでそろそろ潮時かなあ。
そう考えながら仮想勇者と戦った。
…まあそれなりに強いしこんなもんか。あんまり高望みしすぎてもよくないしね!
「ぐぉぁあ!くっ!まさかこの吾輩が打ち倒されることになるとは…!」
「正義は勝つということだ!貴様を倒したのだから戦争はこれで終わる!」
にゃはは!残念ながらそれは違うのだよ!
「…それはどうかな?」
「え?」
「吾輩を打ち倒せばこの世界の戦争はより加速し貴様一人では止められないほどの巨大な戦争へとなるだろう!」
「はっはっは!貴様がこの吾輩を打ち倒したことで!更にこの世界の戦争は激しさを増すことになるだろうな!」
「吾輩が死んだ後に貴様は真の敗北の意味を知ることとなるだろう!」
「ふはははは!無駄話はここまでのようだな!これから始まるこの世界の混沌を吾輩の目で直接見れないことが残念でならぬがなあ!」
「さあ!恨みと争いのこの世界の今後を貴様に託すとしよう!」
「ふははははははははははははははははははははは!!」
そうして。私ことシロクロちゃんはこの世界を去った。
ありとあらゆる禍根の素をこの世界へとばら撒いて!