問題は解決しても解決しない問題
「こちらコトです。それで…結局どうなりましたか…?」
「ああコトさん…!見てください!かわいいでしょう?シロクロちゃんっていうんです!」
「えっと…その赤ん坊は…?シロクロちゃんっていうんですか?ええ?いったい何がどうなったんですか?」
「この子を私が育てることになりました!見ていてください!立派ないい子に育て上げますから!」
「そうですか…その子は…?いったい何者なんですか?」
「『狂想』の固有を持つすごい子なんです!見てください!指を近づけると…吸いつくんです!可愛すぎませんか!?」
「固有…?そんな小さな赤ん坊が…?えっといったいどういう経緯で?」
「この世界をめちゃくちゃにしていた人…ブライトさんっていう人がいるんですけどその人の子供らしいんですよ。ただそのブライトさんはもう身体はなくって…意識だけなんか残ってるらしくて…それで今はぬいぐるみなんですけど…ああその人が『狂想』を待っていてすごい科学者だったんですよ。だからきっと同じ固有を待ってるシロクロちゃんも将来すごい科学者になると思うんです!そのブライトさんって言う人は正直人格に問題があるので仲間にするのもちょっとアレかな〜って思うんですけど…その点私が育てるシロクロちゃんならバッチリじゃないですか!ああ!すっごくいいですね!これからもずぅーっとシロクロちゃんと一緒ですよ!見てくださいこのぷにぷになおてて!ほっぺたもぷにぷにですし…ああ!もう全部がとっても可愛いんです!シロクロちゃーん、コトお兄ちゃんですよ〜!うふふ!まだ産まれたばっかりだからかずーっとぼんやりしてるんですよ〜!」
「…はい!メルナさんがとても嬉しそうで何よりです!またそのシロクロちゃんについては後で詳しく教えてもらうとして…ミヨさんは…ミヨさんの記憶についてはどうなりましたか?」
「ああ。ミヨさんの記憶に関しては…薬で一時的に忘れているらしくって暫くしたら元に戻るそうですよ。今でももう結構色んな事を思い出しているみたいですが…ひとつ問題がありまして…。」
「ああ。記憶は戻るんですね。本当に良かった。…問題とはなんでしょう…?」
「えっとその…説明が難しいんですけど…人格がですね。自分をノエルだと思っていた時の…今と違う性格の時のままあまり変わらないんですよ…。色んなことを思い出してきてはいるんですけど…ああ。あとは…お友達のミヨさんを複製した新人類の…ルミさんと言う方がいるんですけど…その方ととっても仲良くしてまして…うーん。どうなるかは分かりませんのでまた報告しますけど…」
「なるほど。まだ問題は沢山あるみたいですね…。ですがひとまずはみんなが無事で元気であれば…。」
「はい!みんな怪我もなく健康そのものです!…どちらにしてもちょっとしばらくは様子を見ようと思いますので…また連絡しますね!」
「はい。ありがとうございます。…僕の方でも色々情報を整理しておきますね。ああそうだ。次の通信はロクスケさんも是非一緒にお願いします。」
「ああ…ロクスケさんですか…」
「えっ何かあったんですか。」
「なにかあったわけでもないんですけど…なんかずっと拗ねてるんですよ。…よかったら話を聞いてあげてくれませんか?」