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魔王と哀れなピエロ~中編~

魔王達はどんどん合体してなんと巨大な魔王になってしまった。


ええ?これどうするの?

どうやったら…これを倒せるの?


「ぼーっとしてんな!ひとまずやれることやるしかねえだろ!」


呆気に取られていた私を叱咤し、ロクスケさんはまっすぐに巨大な魔王へ突っ込んでいった。

そうだ。ぼーっと立っていても何も解決しない。

ひとまずやれる事をやってそれから対策を考えていくしかない。

「そうですね。そちらの足は任せます。」


ロクスケさんが足を切り倒そうとしているのを見て私は頭を目指した。

タタンッと腰や肩を踏み台にして登る。

ちょうどロクスケさんが片足を切り落としたのを見て私は巨大な魔王の首から上を斧と風魔法で吹き飛ばす。


そのまま着地をして倒れていく巨大な魔王を見る。

やはり頭を潰すとすぐには再生はされないみたいだ。

「ロクスケさん…かなりまずいですねこれ。」

「そうだな。こいつを一時的に止める手段はあっても動けなくする手段がねえ。」

「いえ。それももちろんそうなんですが…上に登った時に周りを見たらこの規模の巨大な魔王が確認できただけで5体程遠くに見えました。」

「まじかよ。見える範囲でそれとなると…かなりの数いることになるな。」

「しかも、私達はなんとか止める手段がありますが…他の街は…」

「そうだな。どうする?」

「可能な限りこの街に集めて避難してもらうしかないですね。」

「まあ。もうすでに全員は救えねえ。手の届く範囲でやるしかねえか。それでどうやって集める?」

「地下の乗り物を使います。ロクスケさんこの場を任せられますか?」

「は!任せられた!そっちは任せるぞ!」

「はい。行ってきます。」


急いで研究施設内の部屋へ戻る。

私が出せる全速力だ。


「ミヨさん!ノエルさん!緊急自体です!」

2人は私が起こすまでもなく服も着替えこちらを真っ直ぐに見据えていた。

「何があったんですか?」

「外に巨大な…魔物が沢山いて街や住民を襲っています!お二人には…地下の乗り物を使ってそれぞれの街からこの街へ住民を避難させて下さい!」

「巨大な魔物ですか!?大変じゃないですかぁ!」

「なるほど。事情はわかりました。今すぐ動ける人を集めて下さい。」

「え?」

「ノエルちゃん?」

「私1人が地下鉄道を使うよりも動かせる地下鉄道全てを複数人で使えるようにした方が効率が良いはずです。」

「わ、分かりました!人を集めてきます!」

「ミヨさんは私の指示に従って!」

「はい!わかりましたぁ!」

私は施設内を走り回り手当たり次第に声を掛け、施設の職員や避難してきた人達など手当たり次第に場合によっては担いだりしながら人を集めた。


「集めました!ではノエルさん!お願いします!」

「はい。もうすでにいる人達へある程度説明は済ませました。その中から理解した人を選別して指示済みです。」

「えっ。」

しごとはやい。

「残った人員で救助に適性のある人を数人ずつ同乗させて余った人たちに受け入れ準備をしてもらっています。」

「あっはい。」

すごいもうほとんどおわってる。

「指示を出すにあたってお姉さんの指示だと説明しましたがよろしかったですか?事後承諾になりますが緊急自体だと考えましたので。」

「だいじょぶですはい。」

手際が…手際が良すぎる。

ああそうか『鑑定』か。

『鑑定』でその人の適性や理解度などを全て理解しどのように指示をすればその人を動かせるかを把握した上で実行している…のだろう多分。


「必要な指示はすべて行いました。私達も向かいますよ。」

「えっ?どこへ?」

「巨大な魔物の所へです。案内して下さい。」

「はい!分かりました天井すみませんがお二人とも担ぎますね!」

「え?担ぐんです…か?うわぁ!」

「ひゃあ!」

私は2人を担ぎロクスケさんがいる場所へ全速力で走る。

…今日の私走ってばっかりだな。


「ロクスケさん!」

「おう!戻ったか…って嬢ちゃんと…誰だそいつ?」

ロクスケさんは1人で巨大な魔王を倒した直後のようだった。

あれ?なんかさっきよりかなり大きくなってない?

ロクスケさんはその巨大な両足ともに滅多斬りにしたようだ。


「事情は後で説明します!ミヨさんノエルさん着きましたよ!」

「うえぇ…。」

「は…はい。そいつが…その巨大な魔物ですか。」

「ああ!巨大な魔王だな!こいつ集まってどんどんでかくなりやがる!どうにかなりそうか?」


「えっと…このままではこいつは倒せません。」

「そうなのか。じゃあどうする?諦めんのか?」

「いえ…驚くべきことにこれを動かしている装置があるようなのでそちらを止める必要があります。」


「へえ?そんなことまでわかるのかよ。それはどこにあんだ?」

「えっと…白黒城?ってところなんですが…わかりますか?」

「あん?さっきまで俺たちがいた場所じゃねえか!そんなに遠くねえぞ!」


なるほど…。おおもとになる装置があるのか。

それじゃあそれさえなんとかできれば!

「よし!それじゃ私が行って壊してきます!」


「おい!待てよ!師匠一人で行ったところでどうすんだよ!叩けば止まるってわけでもねえだろ!」

ええ?機械って全部叩けば止まるものなんじゃないんですか?

詳しいことはわからないがロクスケさんに2人も何も言わないので空気を読んで黙っておく。

ああそうか。鑑定をして操作してもらえばいいのか。


「ではノエルさんを担いで…」

「私も連れてってください!ノエルちゃんを一人でなんて…。」

「んん?どういうことだ?そっちはミヨの嬢ちゃんじゃ…?」

「…後で話します。ロクスケさんはまたこの場での戦闘をお願いします。」

「まあ…何とかするがこいつもいろんな場所から集まってきてるから」

ただ…二人を担いで知らない場所に向かうというのはなかなか大変ではある。

いや出来なくもないが…まっすぐ突っ切っていこうと思っていたから担いでとなると流石に二人への負担が大きい。


「やあ。お困りのようだねメルナ。話は聞いたよ。ご一緒に白黒城までドライブはいかがかな?」

「うぉう。ブランさん…いつの間に?」

「ずっと話は聞いていたのさ。何か役に立てないかなってね。車を出そう。白黒城へはそれがきっと一番早い。」

「…えっと。」

「緊急事態だろう?話はあとでいくらでもするさ。」

「では…ブラン様の車に乗って4人で白黒城へ向かいましょう。」




─────────────────────────────


さあて。師匠達は白黒城へと向かったが…オレはこれからこいつを一人で何とかしなきゃいけねえ。

人がこの街に集まっているからか巨人たちもどんどん集まってきてどんどん大きくなりやがる。

まあ。でも折角の見せ場だ。

俺一人で何とか乗り越えてやろうかね。


「おい馬鹿(ロクスケ)そのまま僕の話を聞け。」

「あぁん?なんだよ阿呆(スカラ)あぶねえから引っ込んでろよ。」

「そうもいくか。このままではこの街全体がこいつに飲み込まれるのも時間の問題だ。そうなる前に何とかしないといけないんだろう。」


こいつを止める手段を考えているらしい。

まずいな…面白くなってきた…顔がにやけてきやがる。

「どうやらこいつの事は師匠やブラン達が何とかしてくれるらしいが?」

「はん。それで足止めしかしないつもりかこの腑抜けめ。腑抜け(ロクスケ)め。」

「そこまで言うんならなんか考えでもあるのかよ。」


「もちろんだ。僕とお前の二人であの巨大魔王(出来損ないの最悪劣化)を止めるぞ。」


「はっはっは!俺とお前の二人でか!最高じゃねえかおもしれえ!乗ってやるよ!」

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