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第三の勢力

私達はこの白の街を制圧した。


「…えっと私達はこの世界に白の街と黒の街に対抗する為の第三勢力を作るしかないんですかね。」

「はい。お疲れ様ですメルナさん。…それしかなさそうですね。」

「おう。それじゃまずは魔王城でも作るか。」

「作りません!!」

現在はコトさんとロクスケさんと3人で作戦会議中だ。


「それにしても…師匠の固有(ユニーク)強すぎねえか?」

「…そうですね。いえ。まさかこんなにも簡単に制圧できるとは…。」


私たちはこの研究施設を何とかしようと相談していたのだが…悩んでいたところにロクスケさんが一言提案をしたのだ。

「つーか師匠の固有(ユニーク)でごり押せば余裕でいけるんじゃねえの?」

私は遺憾であると何度も抗議したのだが、代案は全く思いつかずコトさんにも「ミヨさんを助けるために…お願いします…。」と頼まれてしまったので渋々まあ失敗したら別の案を考えればいいかとロクスケさんの案を採用したのだが。

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まずは研究施設に忍び込んで最初に責任者っぽい人を無力化した。

研究施設の人全員を捕えることはできなかったが逃げ遅れた研究施設の人達は全員捕まえた。

その日の内にどんどんと色んな人が集まってくるので順番に捕縛して放っておいたら次の日には研究施設に残っていた人を含め全員が私に友好的になっていた。

どうやら「敵対状態で直接会う」事が条件だったみたいで囲まれた時に少しだけ顔を出して「みなさんよろしかったらこの建物に遊びにきてくださいね」と言ったらその場はブーイングの嵐だったにもかかわらず次の日には私が顔を合わせた相手は全員お城に遊びにきていた。

そのまま私に友好的になってくれた人達に「よろしかったらお友達を連れてきてください」と言ってみたら早くに逃げていた研究員も含めてみんな順番に集まっていた。

友好的な人達がこの街の半分を過ぎた辺りからどんどんと加速していき瞬く間にこの街は私を王と崇める人達ばかりになり遂にはこの街に私達に敵意を持つ人たちは居なくなった。

「手段を選ばないと決めたとはいえ…本当にいいのかなこれで…。」

「まあもうやっちまったもんはしゃあねえだろ。そもそも解除の条件とかもわかんねえんだろ?」

「そうですけど…。」

「じゃあ悩んでも仕方ねえよ。それよりミヨの嬢ちゃんどうするかの方がが先決だろ。…それにあいつらもどうしたもんかなぁ。」


「うぅ…どうしましょうか…。」

そう。問題はまだまだ山積みなのだ。

ルミナスさんは…ミヨさんではないようなのだ…。


最初はもしかしたら記憶を失ったミヨさんなのかなと私もロクスケさんも思っていた。

だが…多分そうではない…。


「まさか…捕まっているルミナスさんのお友達も全員ミヨさんと同じ顔をしているとは思いませんでしたね。」

驚くべきことに捕らえられていたのは全員がミヨさんにそっくりな顔をした少女だった…。

見間違えないように全員に名札がつけられていたが…名札がついていなかったら私達でもきっと見分けはつかないだろう。

「ああ…しかもあいつら全員がここ最近の記憶しかないとは…あれいったい何なんだろうな…。」

「しかももう街にはミヨさんもシャーロット・ノエルもいなくなっていましたから…。」

「いつの間に脱出してたんでしょうかね…前日の夜にコトさんと通信したときには確かにいたんですよね…?」

「そうですね…前日までは確かにミヨさんがいたのを確認していたんですけど…。メルナさん達がついた時にはもう行方を追えていなかったのでもしかしたらもうその場所にいなかったのかもしれないですね…。勘付かれていたのかな…。」


「まあそのあたりはあのスカラとブランが情報流してたんだろ。」

「うーん。でもあの二人は…もう私には敵対できないはずですよね?なのに私たちの情報を流していたとなると…。」

「師匠の『魔王』の固有(ユニーク)も万能じゃねえってことなのかもな。」

「…そうなりますかね。」

万能じゃないのかあ。なんか複雑な気分だなあ。


「まあ特にあのスカラはそういう抜け道探すの得意そうだったしまあ何か弱点みたいなのがあるんだろ。現にあの二人はもうこの街からもいなくなってたしな。」

「そうなんですよね…どこ行ったんだろうあの二人…。」

結構仲良くなれたと思っていたのであの二人がロクスケさんに襲い掛かったうえに情報を流していたであろう事実は…正直かなり辛い。

せっかく仲良くみんなで旅を続けられると思っていたのに…。

まあ…いなくなってしまったものは仕方がない。

またどこかで出会ったら話を聞いてみることにしよう。

次会えるのはいつになるんだろうか…。


「それにしても…弱点ですかあ。…不本意ながら使っているというのにさらに欠陥まであるとなると…。もう使わないほうがいいのではないでしょうか。」

「そんなわけあるか。弱点があったとしても十分すぎるぐらい強いだろうが。現に今街ひとつ簡単に落としてんだ。使わないっていう選択肢は最早存在しねえよ。」

「ぐぅう…。まあ…ミヨさんを助けるためですから…仕方ない…ですよねえ…。」


「さて。僕から今後の方針の提案をさせていただくのですが…最早この世界の人達をほおっておくわけにもいかなさそうです。」

「えっ…。そうなんですか?」

「ええ。この世界は…かなりまずい事態になっていそうです…。放っておけばいずれ衰退していき滅びるでしょうけど…。そんな滅びゆく世界にミヨさんを置き去りにするわけにはいきません。」

「え?結構みんな頑張って生きているように見えますけど…この世界まずいんですか。」

「まあ。まだ予想に過ぎないですが…もし違っていても方向転換できないほどにこちらも切羽詰まってきています。なので」


「メルナさん。その世界の全てを征服してください。」


「…えっと。」

第三の勢力を作って対抗するってだけの話じゃなかったのか…。

え?世界征服?そんなことできるの?

「大丈夫大丈夫。師匠なら楽勝で出来るさ。3日も経たずにこの街を完全支配しちまったんだぞ?」

「まあ…できる限りは頑張りますけど…もし経過でミヨさんを救出できそうならそちらを優先しますよ…?」

「ええ。もちろん最優先はミヨさんの身柄です。あくまでも世界征服はその目的のための手段というだけです。」


「まあこのままいけばすぐに世界征服できちまうんじゃねえか?なんだかんだで向いてるんだろ。魔王。」

「向いてないです。ええ。向いていませんとも。私に魔王だなんて何かの間違いですとも。」

「なんで嫌がるのかが俺にはわかんねえんだけどな。魔王ってかっこいいじゃねえか。」


「私は別にかっこよくなりたいわけではないですし。そもそもが私のようなうら若き乙女が魔王だなんて何かの間違いですよ。ええ。そうですとも。私には魔王だなんて不相応もいいところですよ。魔王なんて称号はロクスケさんのようにごつくてでかくて乱暴な人にこそ似合うものなんですから…。」


「なんか話し方がスカラみたいになってるし別に師匠はうら若くねえだろ?」

「ちょりゃっ!!!!!」

「ぐえっ!おい!いきなり鳩尾殴ってくんじゃねえよ!」

「口には気を付けてください。もし次言ったら気を失うまで殴り続けてぼろ雑巾のようになった姿を町中に晒して更にお腹をすかせた魔物達をけしかけますよ。」


「だから!そういう発言が完全に魔王なんだって!」

「滅ぼしてやろうか!」

「最早わかってやってんだろそれは!」


「まあ冗談はさておき。」

「冗談なのかよ。」

「今後は具体的にどうしていきますか?いくら何でもこの世界の人たち全員を制圧するのにはこのまま考えなしに行動してたらいつまでかかるかわからないですよ?」


「そうですね…。まずはメルナさんの固有(ユニーク)の情報をできる限り集めることを最優先でやっていったほうがよさそうですね。」

「まあ…現状わかんないことだらけですからねえ。」

「まずはスカラとブランが利用した弱点をしっかり把握しておかねえといけねえな。」

「そうですね。まずはメルナさんの固有(ユニーク)の弱点解析していったほうがよさそうですね。」

「私の弱点の把握…とはいってもどうするんですか?」


「決まってんだろ。あの二人をまた捕まえるんだよ。どこにいるかはわかってるんだろ?コトの旦那?」

「ええ。把握しています。移動してしまう前にメルナさんに急いで確保してもらいましょうか。」


しばらく会えないと思っていたが…どうやら彼女達とは案外すぐに出会えそうだった。

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