表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら幼なじみが騎士団長になっていました  作者: 氷雨そら
伯爵領レーゼベルクと魔獣の森

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/100

大切なものを天秤にかけるなら

誤字報告を基に、ちょっとわかりにくい部分を修正しました。

ありがとうございます。


「リリア、無事でよかったわ」


 乱入してきて甘い空気を感じただろうに、アイリーンはそれほど気にしていないようだ。


「今回リリアを助けたのは残念すぎるが俺じゃない。アイリーンがいなければ、おそらく今頃帝国行きの船の中だ」

「まあ、最後助けたのはやっぱりレオンだけどね!」


 二人に感謝しかない。きっと騎士団のみんなにも心配をかけただろう。


「アイリーン隊長、ありがとうございます」

「当たり前なんだからいいの。リリアが無事で良かったわ。邪魔したわね!」


 颯爽と去っていくアイリーンは美しくカッコいい。少しだけ空気が読めないが、それすら彼女の美点なのかもしれない。


「でも、あの覆面のカナタさんに勝つには、また無理なことしたんでしょ?」

「…………そんなことない。余裕だった」


 残念なことにレオン団長はリリアに嘘がつけない。たぶん、前回戦うためだけにって言ってたやつをしたとリリアは確信する。


「見せて……くれないかな」

「え?」

「その時使ったやつ、見せてくれないかな」

「――っ――――や、見せるようなものじゃ。いや、その顔反則だから!!」


(顔が反則?っていうのはよくわからないけど)


 何をそんなに嫌がっているのだろうか。


「やっぱり、命の……危険が?」

「そういうんじゃ、ないんだよ。攻撃全振りで防御力ほぼゼロの紙装甲になるけど、そういうんじゃ」

「レオン団長のこと、全部知りたいんだよ」


 その瞬間、レオン団長は瞠目した。何故か耳が赤い。


「――――っ、そういうんじゃないよな?!わかってる!見せてあげるから、もう許してください限界だ!」


 その瞬間、レオン団長の背中に漆黒の羽が生えた気がした。黒い魔法が腕や背中に絡みついてそう見えるのだ。


「ふあぁ?!堕天使!!」

「やっぱ、そうだよな!だから見せたくなかったのに!!」


 レオン団長のピーコックブルーの瞳が、そのまま真っ直ぐにリリアを見つめる。


「……でも、リリアのことこのまま誰もいないどこか遠くに連れ去ってしまおうか」


(えっ……堕天のお誘い?!)


「二人だけで、甘く甘く怠惰な毎日を過ごすなんてどうかな?」


(堕天使様からの蠱惑的なお誘いが来てしまった)


 もしも、二人だけで一緒にいられたら。それは想像するだけで甘い、幸せな毎日だろう。


 でも、それには。そうリリアは思う。


「それをするには、大切な人が増えすぎたね」

「それでも……リリアが望んでくれるなら、俺はいつだって」

「――仲間に囲まれて笑顔を見せるレオン団長が好き。いつも仲間のために頑張れるレオン団長も。部下に慕われるカッコいいレオン団長も大好き」


 リリアのために全てを捨ててしまっても、レオン団長のことが好きだという気持ちは絶対だと言いきれる。


 もし、リリアといるために全てを捨ててしまったら、きっと二人ともに本当には笑えないだろう。それなら。


「この先何があっても、私のために大切なものを捨てないで欲しい」

「ははっ。リリアは難しいこと言うな……」

「そのかわり、ずっと一緒にいよう」

「くっ。リリアは男前だ。……ああでも、そんなリリアだから俺は」


 リリアとレオン団長の持つ力は、二人の手に余るほど大きくて。大きすぎるせいで波乱を呼ぶのかもしれない。


 それでもこの力で守れるものがあるなら。まだ、甘い甘い二人だけの怠惰な生活はお預けと二人は決めた。


カナタ(平常心!)


最後までご覧いただきありがとうございました。


『☆☆☆☆☆』からの評価やブクマ、感想いただけると、とても嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 男前のリリアに許しを乞うレオン、かわいいです。 それでいて、堕天使の誘惑も見せてくれて♪ 思わずくらっとしちゃいます(〃ω〃) カナタは鋼の平常心を身につけさらに強くなれ〜^_^;
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ