表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら幼なじみが騎士団長になっていました  作者: 氷雨そら
異世界で幼なじみともう一度

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/100

2人の朝

前回シリアスだったので、今回はゆるくいきます。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


 明るい日差しに目が覚めると、ベッドに寝ていた。なんだか、ハーブシトラス系の良い香りがする。


(レオン団長の香り。んー?ここどこ……)


 寝起きがあまり良い方ではないリリアは、ぼんやりした頭で考える。


「膝、枕……」


 急速に目が覚めて、途端にリリアの顔が朱に染まった。


(大胆なことをしてしまった!それにしても……)


 いつのまにか、ベッドに運ばれていたようだ。一度眠ると眠りが深いリリアは、全く気づかなかった。やはり疲れていたのかもしれない。


「ドレスのまま寝ちゃったよ。あー、シワシワ」


 リリアは、昨日休日に王宮に呼び出されたので、今日は非番にしてもらっている。レオン団長は休めない仕事があると嘆いていたが。


 意外と広い騎士団長の私室。寝室のドアを開けると、なんだか甘い香りが漂っていた。


「おはよう、リリア」


 何故か騎士服にエプロンをつけたレオン団長に出迎えられた。


「あ、うん。おはよう?」

「パンケーキ焼けたよ。起こしに行こうかと思ってたところ」


 テーブルの上には、フルーツとクリームが添えられたパンケーキ。ヨーグルトとカフェオレ。


「……おいしそう」

「さ、食べて?」


 小さなテーブルの向かいの席に座ったレオン団長がニコニコ見ている。


「あの、団長室ってキッチンあるんだね」

「そ。簡易的なのだけどね。たまに作るよ」


「朝は、レオン団長は食べないんだよね?」

「ん。食べさせてくれるなら?」


(しまった。これ、この前の続きだ!)


「ロ、ロンは……」

「さっきまで来てたけど、今度は取られないように先に食べさせたよ。先に女子寮に帰った。よく食べるよな、あいつ。……ん」


 なんだか今回も口を開けたままレオン団長が待っている。


(こ、これはやるしかない流れ!?)


 ――――バーンッ


「「!!」」


 ――――ドンドンドン


 団長室のドアが勢いよく開いた音と、私室のドアを叩く音がした。


「はあ、アイリーンか。分かりやすいな」


 レオン団長がドアを開けると、大きめの袋を持ったアイリーンが立っていた。


「あら、リリア。その格好……?ざんねんだわ。レオンは本当に踏み込みが甘いわね」

「何しに来た」

「リリアの着替え持ってきてあげたの。このままじゃ帰れないでしょ?……あら、良い匂いね」


「くっ。アイリーンも食べるか?」

「ふふ。じゃあ、お言葉に甘えるわ」


 アイリーンは笑顔になるとリリアの目の前に座り、そのままリリアの口元にフォークに刺したパンケーキを運んだ。


「はい。冷めちゃうわ。リリア、アーンして」


 ――――パクッ


「美味しい……!」


 思わず食べてしまったリリア。しかし、ふわふわのパンケーキは口の中で溶けて消える。クリームの甘さも控えめで絶品だった。


「私にも食べさせて?」


 ――――パクッ


「ふふ。リリアに食べさせてもらうと、さらに美味しいわ」


 口を開けてきたアイリーンに条件反射でリリアも食べさせてしまった。


「あら?悔しそうな顔。ふふっ。そろそろ仕事に戻るわ。レオンも休みじゃないんだから、仕事しなさいよ」


 嵐のようにきて嵐のようにアイリーンは去っていった。再び2人だけになった空間に静寂が訪れる。


「解せぬ……」


 レオン団長の心からの呟きが室内に響いた。

アイリーン「ふふっ。やっぱりまだ、だったわね。あの2人の焦ったい感じ。初々しくてたーのしいっ。」


アイリーンはスキップしながら出勤したのを、ルードに見つかり「隊長の品位に欠ける。」と叱られた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] レオン団長のエプロン姿^_^ あーんは、いつしてもらえるのか?!諦めなければ、きっといつか多分叶うはず笑 [一言] ルードさん、騎士団のために頑張ってますね(^◇^;) いつも楽しい後書き…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ