彼女のいない第二騎士団
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前回の話の裏側です。本日3回目の投稿です。まだの方は、2話手前からご覧ください。
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「「うおおおおお!」」
激しい打ち合い、倒れてもすぐに立ち上がりまた打ち合う。それがここ数日の第二騎士団の日常だった。
「……なんかみんな、狂戦士みたいね」
「まあ、リリアがいないのが全員堪えているんだろうね。団長もアレだし」
アイリーンとルード副団長が、横目でレオン団長を見る。レオン団長の周りには、挑んだ団員たちが、つみ上がっている。
「でも、団長と戦うのって、お互いの実力が上がっていくのが分かって面白いのよね。私も挑戦してくるわ」
「まあ、それもそうか。……久しぶりに燃えてきたな。俺も行く」
「よーし。騎士学校を思い出して、2人でコンビネーション攻撃試してみる?」
「いいな。出遅れるなよ?」
「そちらこそ!」
スピードにのって、自由奔放に戦うアイリーン。計算され尽くした戦いで相手の弱点を突くルード。
性格も戦闘スタイルも正反対の2人だが、コンビネーション攻撃ではその力は倍以上に発揮される。
2人とも個人では、レオン団長に及ばないが、コンビネーション攻撃では何度かレオン団長の膝を地につけている。
「ふふっ。たーのしい!」
「ちゃんとタイミング合わせろ?!」
正反対からバラバラに、しかし計算され尽くしたタイミングで斬撃がレオン団長に襲いかかる。
「ははっ。久しぶりに2人で組んだのか。いいな」
「ちっ、これを受けるの!?」
「次行くぞ、アイリーン!」
戦いが始まると、他の団員たちが訓練の手を止めてその戦いに見入った。
それこそ、それぞれが英雄と呼ばれても良いレベルの3人の戦いは、日が暮れるまで続いた。
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「……リリアのことだから、あちらでも上手くやっているんだろうけど」
「そうね。でも、少し団長が不憫ね」
2対1ではあったが、レオン団長に辛くも勝ち越したアイリーンとルード副団長が顔を見合わせた。2人の表情は晴れやかだ。
一方、レオン団長は「まだ、強さが足りない……リリアを守るためにもっと力を……」と呟いて騎士団長室に消えていった。
追い討ちをかけているように見えるが、こういう時のレオンを放っておくことはできない2人の心遣いでもあるのだ。
「まあ、あと数日で帰ってくるのだから」
「まあ、そうすればいつものレオンに戻るだろ」
しかし翌朝、第二騎士団に早馬で知らせが届く。リリアのいる避難所にドラゴンが現れたとの情報が届く。
しかしすでにそこにレオン団長の姿はなかった。
第二騎士団の皆さん脳筋話でした。
恋愛要素は、次回かその次くらいからあるはずです。
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