はじまり
秘密結社に入りたい人生だった
第1話 自由なメイソン
「どうやら成功したようだな・・・」
とあるビルの一室、厳重なセキュリティがしかれた部屋でモニターを睨みつけるように眺めていた壮年の男たちが誰からともなく口を開いた
「我々の長年の目的がまさかこんな少年に託されるなんて、皮肉なものだな」
そう語る男の目は睨むものをすべて怯ませるような鋭い眼光でスクリーンに映る少年を見ていた
「たしかに彼は若いですが、スコアはすべて基準を上回っていましたよ」
モニター脇に立ち資料を片手に持ついかにもデキる風な男がそう答えた
「まぁいいだろう、ところで大城君、もう一方のプロジェクトはちゃんと進んでいるのかね?」
スクリーン脇に立っていた男(大城)は答えた
「そちらも順調です。我々の長年の計画、一切ぬかりなく進んでおります」
鋭い眼光で大城を見た
「そうか、それを聞いて安心したよ。最善を尽くした、後はこの少年を信じて待つだけ・・・」
そう言うと祈るように瞼を下ろした
なんだこれ!?ここは何処だ!?何が起きてるんだ!?事前に知らせてくれればPCの中の秘蔵コレクションを削除したのに!
どれほど同じ考えを繰り返していたのだろうか、起きてから同じ事を考えては目の前の光景に打ちのめされる
とりあえず少年は自分の持ち物を調べた。上下ジャージを着ている。裸足だ。これはいつも寝る時の服装、持ち物は特になし、せめてスマホさえあればーー
・・・とりあえず考えを整理しよう
いま、俺は・・・海?にいる。
目の前にデッカイ生物の骨がある。古びた生物の頭蓋骨は高さ10mくらいありそうだ。背骨みたいな部分の長さは200mくらいありそうだ。こんな生物聞いたことも無い。
少年は巨大な骨を仰ぎ見ている時に気づいた
空に何かいる。鳥か?嫌、ずっと同じ場所から動かない
それに遠いから小さく見えるがよく見たら意外と大きそうだ。
なんだ?まぁ一旦置いとこう、それより周囲に何かないか、誰か居ないか調べてみよう
当たりを一通り調べてみた。ここは広い浜辺の様だ。目の前の海は地平線が見えるほど広く
砂浜も地平線が見えるほど広い。海と砂浜と巨大な生物の骨、そして俺。
ーー2つ発見があった。あまりに喉が乾いたので飲めずともせめて口内を潤したい。そう思い海の水を口に含んだ、味がしなかった。それは自分の味覚が無くなっていたと言うわけでなく。海水だと思って口に含んだそれは真水だったのだ。
そしてもうひとつというのは・・・
ーードゴーーーン!!!!ーー
砂飛沫が上がる
突然の衝撃に少年は数メートル吹き飛ばされた
何かが砂浜に落ちてきた
あまりの衝撃に意識が朦朧とするも、それ以上の未知のものに対する恐怖が少年の頭をクリアにする
「なんだ!?なんだ?!なんなんだよ!?!」
言葉に恐怖と苛立ちと焦りがこもる
少年はすぐに起き上がり、逃げようとするもこの砂浜には海と砂と巨大な骨しかない。
走って逃げようとするが足が痺れて動かず落下元から目を離せず睨みつけるようにみていた。
いくらかして砂煙が風に流され消えそこに薄いクレーターが出来ているのが見えた。
「え・・・」おもわず声が盛れる
クレーターの中心に美しい少女が横たわっていたのだ。
つづく
びーるのんだ