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真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです【書籍化】  作者: 鬱沢色素
二章

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212/331

203・時を編む竜の恋人

 孤独には慣れていた。


 唯一の友に裏切られ、我の心には絶望よりも深い伽藍堂な空虚が満たされていた。


 しかし、いつか友が我の前に再び姿を現すかもしれない。

 もしヤツが現れたら、頬を思い切りぶってやろう。そしてその後は笑いながら、人間どもがよく嗜んでいる酒を呑み交わすのだ。


 ゆえに我は待ち続けた。

 ヤツと何十回、何百回も剣を交わした場所に──一人で。


 だが、友は来なかった。


 一年過ぎても焦りはなかった。

 十年超えたところで怒りが生まれた。

 三十年に達した時、無駄なことを考えなくなった。


 その間、色々なことがあった。


 天変地異が起こり、友との独りよがりの待ち合わせ場所が住むのに適さなくなった。

 人間どもが腕試しとばかりに、ドラゴンである我を狩りにきた。


 しかしヤツでなければ、我の心を支配する退屈は消すことが出来ない。


 そして友を待ち続けて百年。

 我はようやく悟ったのだ。



 ──ヤツはもう来ない。



 そもそも友が現れることを夢想するなど、愚かな行為だったのだ。

 我はなにを期待していたのだろうか。バカバカしくなる。


 幸運にも、それからまた百年経過すると──我の前にお人好しの聖女が現れた。


 彼女から『ドグラス』という素敵な名前をもらった。

 彼女のおかげで、次第に我の記憶から友のことは薄れていった。


 だが、時折考える。


 我の本当にしたかったこと。

 我の後悔。



 ──もう一度、友に会えるなら。



 その時、きっと我は──。

「頼む、エリアーヌ。我のバカな親友を救ってやってくれ」

ドグラスの想い。だが──過去はやり直せない。

切実なる想いは時を超え、竜たちの友情に祝福を与えるか──!


『時を編む竜の恋人』編。

夏〜秋ごろに始められたらなと思っています。

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「第二の聖女になってくれ」と言われましたが、お断りです
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