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【アニメ化決定!】真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです  作者: 鬱沢色素
二章

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200・聖女の愛し子

 リンチギハムに戻ってきた私は今回のことについて、ナイジェルと話し合っていました。



「どうしてクロード殿下には呪いの耐性があったんだろう?」



 私が淹れた紅茶を飲みながら、ナイジェルがふとそう口にした。


「どういうことですか?」

「いや……やっぱりなんだか、違和感があってね。君やドグラスみたいな、特殊な出自ならともかく……あのベルカイムの騎士団長ですら、禁術の前には抗えなかった。それなのにどうしてクロード殿下が……って」


 思案顔のナイジェル。

 確かに、彼がそのような違和感を抱くのも無理はありません。


 ですが、私には大体の察しが付いていました。


「それはクロード殿下も()()()()()だったからです」

「そりゃ、ベルカイムの第一王子だからね。でも呪いの耐性があることとは別だろう?」

「いえ、違います」


 私が否定すると、ナイジェルは首を傾げた。


「そうですね──まずはベルカイムの伝統についてお話ししましょう」


 聖女が代々、ベルカイム王国を守ってきました。

 それは王都の地にて、魔王が封印されてきたから。

 だからベルカイムで生まれた少女達の中で、最も適正のある者に女神は神託を授けていたわけです。


「そして聖女となった少女は、その国において最も次期国王の座に近い者と婚約させられます」


 その理由については曖昧だけど、おそらく政略結婚的な意味合いが大きかったと思う。

 前代において、その時に聖女と婚約した王子は、そのまま国王へと。そして聖女は子どもを授かります。


「それが一体どういう──あっ」

「そういうことです」


 ナイジェルがようやく理解する。




 そう──クロードは前代の聖女の子どもなのです。




「聖女の子どもだったから……クロードにはその力が少しだけ受け継がれていた。それが呪いへの耐性だったということだね」

「はい」


 私も元々、呪いへの耐性がずば抜けていました。

 それは昔のレティシアが直接私に呪いをかけなかったことからも、分かります。


 そして今回の件においても、聖女である私は禁術にかからなかった。

 クロードもそれと同じだったということです。


「合点したよ。盲点すぎて見落としていた」

「まあ、これは私の推測ですけれどね。本当はクロードのレティシアに対する愛情が、禁術を打ち破ったのかもしれません」


 と私は肩をすくめた。


「愛情……か。結婚式は台無しになってしまったと思ったけど、最後の二人の幸せそうな表情を見たら、全てが報われた気持ちになったよ」

「私もそれは同じです」


 私は首を縦に振る。


 ああいうのを見ていたら、何度でも結婚式を挙げたくなってきます。それほど二人は幸せそうでしたし、白いウェディングドレスに身を包んだレティシアは美しかった。


 そんなことを思っていると──突如、ナイジェルが私の膝に頭を預けてきました。


「ナ、ナイジェル!?」

「……今回はさすがに疲れちゃってさ」


 とナイジェルは声に茶目っ気を滲ませた。


「だから……これくらいは許してくれるかなって。嫌だったかな?」

「そういうわけではありませんが……」


 膝枕をされながら、私を見上げるナイジェル。

 まるでこうしていると、お母さんに甘える小さな子どもみたい。

 いつも毅然としているナイジェルからは想像も出来ない姿で、彼への愛おしさが膨らんでいきます。


「ゆっくり休みましょう。さあ──目を瞑って」

「…………」


 私が言うより早く、ナイジェルから微かに寝息が聞こえてきた。

 本当に疲れていたようですね。


 私はナイジェルの頭を撫でながら、幸せな気持ちに包まれていた。

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「第二の聖女になってくれ」と言われましたが、お断りです
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