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熱砂戦線・油田に暗躍していく者たち


 「戦車の人員にヘリの人員。補充しての訓練には時間が掛かります。しかもご丁寧に輸送ヘリも壊してくれたし、これはまた金になりますね」


 砂漠から遠く離れたオフィス。時間も時差のせいで砂漠の戦場と全く異なる場所だが、議題は油田での防衛線での損害。


 「まあ、警備会社として人員の訓練を受け持っている我が社といたしましては多少の損害は想定内ですし、消耗品もすでにお買い上げですから、またお支払いをしていただければ幸いかと」


 民間警備会社の姿を取っており、実際に警備会社としても行動しているが、業務の中に軍人たちへの教育とか教材売買という名目の軍事支援が入っていたりする。昔の言い方で言えば傭兵という奴である。


 「支払ってもらうものが支払ってもらえれば。契約は履行する。現物はさすがにまずいから米ドルでという契約で。米ドルは安定した価値を持っている。」


 そういいつつ、消耗した人員の補充のための経費と破壊された兵器の購入のための見積もりに教育経費と販売という名の利益を上乗せした見積もりを完成させると、それを向こうの国にメールにて送信する。


 これが現代の戦争の形の1つ。

 それを受け取るためには石油を売らなければならない。本当なら加工して売るのがいいだろうが採掘プラントはあっても精製プラントはないので安く買われ、その石油を売る際の仲介手数料も若干ながら入ってくる。

 

 そして明日からも砂漠の油田は動き続け、人員の血と石油という血を砂漠に流し、それを吸い上げる民間警備会社という吸血鬼が吸い上げる。

 それが貧しくとも平和だった国の今の無惨な姿といえるだろうか。遠く離れた国での出来事は別の国へと蝶の羽の羽ばたきの様に波及していく。

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