表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
片時の住人  作者: ジュウジロウ
もう片時
21/21

夕暮れの街 ◆

 病院からほど近い公園のベンチに、一人の老人が座っていた。

 瞼を閉じた老人は、消え残った表情を、うつむくその顔の影に溶かしている。

 彼が誰なのかを知る者は、この世界のどこにもいない。



 喧騒。

 さざめき。

 溢れ返る音の中。



 呼吸を止めて、

 鼓動を止めて、

 一つの静寂となったその老人の胸元で、

 オレンジ色の陽に照らされた懐中時計が、再び時を刻み始めていた。






 -終-



(※ 作中に登場する歌は、ACIDMANの『バックグラウンド』より)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ