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目が合うとまた  作者: さっち
3/3

アニーミア

天使型の美形×ガチムチなペガサス獣人さんです


ラストの船の世界をお楽しみください


中性体だと分かっていても抱かれたい


そんな風に言われるのは、フリデリック


隣の星で生まれたと知って自然と一緒にいる事が増えたマブダチだ


ギーナはその隣でやっかみを受けていたら


即時に距離を取っただろうが


中性体、ってだけで歯牙にもかけられていない


コイツが異例なだけだ


今日の小競り合い後で戦闘員は各々休みに入る


有難いことに女性限定みたいに


大浴場でも広々と使えるからコイツとは同時に


羽を伸ばせる


実は言葉通り、私には純白の羽がある


中性体は天使っていう神の使いのモデルだ、


と星のどっかの偉い学者が発表したのは大昔


私たちの種族をみると


この船でも本気にする奴が多かった


普通の男性大浴場にはない香りつきの石鹸は


私の信者、みたいなやつが置いている


非戦闘員のローデリヒは教えてくれた


立場上、備品管理をしていて知ったらしい


そんな彼は司令長官の半身となってしまい


風呂でたまに会うということもなくなった


寂しい気持ちもする


特に人を殺めた直後に彼の声を聞くと


癒された


実際、彼はヒーラーだった


知られないように癒してくれていた


まあ憧れの長官殿を大いにささえてもらおう


しかし疲れた・・・


適当に身体を洗って湯船に身体を沈める


フリデリックは流石に涼しい顔だ


「・・・お前、最近は一段と白いな」


藪から棒に話しかけてきた


「なに?羽が眩しい?今度からしまっとこうか?」


我々は羽を狙われる事があるため


力を使うが完全に人にもなれる


「そうじゃなくて、、、」


珍しいなコイツが話を続けるなんて


「君の角も綺麗だよ、銀色だもんな凄い」


天使の隣はペガサスなんて更にありがたい


中性体というだけでなく


コイツが人とペガサスになれる種族だから


隣にいて拝むやつがいる


お陰で髪も肌も素晴らしい石鹸で磨けるから


お得なもんだ


やっかみも離散する


「それはお前の羽田ってそうだろ、村で1番の美しさなんてこっちまで評判で。あ、で白いのはお前の肌だよ。紙みたいになって、ヤバいだろ最近。」


「君に指摘されるなんて末期だな。天使みたいは伊達じゃなくて、、、ってあれヤバいかもな…」


言っているそばからクラっときた


「おいっ!ギーナ!」


あ、コイツ泡だらけで湯船に入りやがった


そんな事を思いながら


意識が遠のいた


----------


〝穢れを知らない天使〟


上手くいったもんだ


我々の種族は容姿もさることながら


中身まで、天使様ってやつに近い


なのに私は平和のために闘う


「ギーナ、戻ってこい」


フリデリックの低い声が私を引き揚げる


「・・・ここは?」


「まだ浴場だ、貧血のやつを動かすバカはいない」


「そっか・・・ありがとう」


流石に人気者に運ばれたら隣には


居られなくなる


グッと胸が軋んだ気がして


手で強く抑え込む


「おい、まだ気分が悪いか。なんか必要なもんあるか?」


覗き込むように顔が近づいてくる


違和感を感じた


「角は、どうした。」


指摘をするとフリデリックは


焦ったように視線が泳ぐ


「まてよ、ペガサスの角って万能薬って・・・」


そう言って初めて穢れでキツかった


体調が治っていることを知った


「角は数ヶ月に1回は生え変わるんだ、だから里では有効利用してるんだ。・・・石鹸とか。」


え、待てよ


頭が混乱した


「・・・ここの石鹸は私の信者の貢物ってローデリヒが。」


「ああ、灯台もと暗しってよく言うだろ」


急にクールで男臭い表情がニコニコと嬉しそうだ


私は随分と厄介なものを飼い慣らしていたらしい


「急に治ったのは?」


「この場でへし折って削った」


「そんな事して平気なのか」


「伴侶に尽くすのはペガサスの常識だ」


「えっ。」


「えっ?」


同時にポカンとしてしまった


コイツ今なんて


思考が迷宮入りしそうだ


「ペガサスは伴侶としか裸の付き合いはしない」


「処女好きって伝説っていうのは」


「目が会った瞬間に伴侶を見定めて傍を離れない」


また顔を近づけたと思ったら


私の両手を開かせて順番に口付ける


「ギーナがローデリヒ好きなのは知っていたから待ってた」


とんだ忠犬だ


「待てよ、そもそも私は誰も好きになってないぞ」


「そうなのか?一緒に風呂は入るといつも嬉しそうだったから」


「いや、船内の色んな情報を教えて貰ったついでにヒーリングしてもらえるからだから」


「なんだそっか」


フリデリックは恋する乙女の顔をした


ガタイはいいが顔は可愛いのか


初めて知ることばかりだ


「だからといって君にだかれるつもりは無いぞ、ほかのやつと違って」


ムクっとコイツの手を振り払いながら今度は見下ろす


「何を言っている。ペガサスは乗せるほうだろ?」


さも当然という感じで言う


「え、その図体で抱かれたいのか」


「俺は元々の性質は変わらない」


「私は穢れを伴侶に移すんだぞ」


「毒物とか害になるものは角が身代わりになるんだ」


その言葉に眉間の上に残った欠片を見つめてしまう


ああ、今日もシルバーに輝いている


つい親友と思い込んでいたがこの銀河の輝き


みたいなコイツの角を気にした時点で


手遅れだったようだ


「私は穢れを知らぬまま君を穢すのか、悪くない」


そう言って私が寝ていたビーチベッドに引き込んだ


穢れを知らずに穢れを与える


私は試さずには居られない存在

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