第十四話:試合(2)
おはようございます、こんにちは、こんばんは、ダメ作者こと秀空です。
さて、テストが来週に迫っている僕ですが、なりふり構わず執筆してしまいました。
そんなこんなの第十四話。
バスケについて知らない人は読むのに苦労するかもしれませんが、そこはなんとか頑張っていただきたい!!! (無責任ですいません…)
それでは、期待を真空パックに詰め込んだ人は、本文へどうぞ。
「はぁ…はぁ…はぁ……」
今はハーフタイム。現時点での得点はというと……
8:16
完璧にボロ負けである。
かろうじてギンジの速攻やペネトレイトからのシュート、そして195センチのブロックを掻い潜った華麗なるシュートを決めて6点、そしてギンジからのパスを受けたチームメンバーのシュートがゴールに入って2点、計8点を取った。
俺はOF・DFのどちらにおいても、全く活躍していない。
OFの時には、何故か元バスケ部員の一人が俺をマークし、その結果、試合開始直前のようなパターン(スティール→カウンター速攻)で点数を取られたことも4〜5回あった。
DFの時には、これまた何故か元バスケ部員を俺がマークするという、完全なるミスマッチが原因で、パカスカと俺のところからシュートを決められてしまった。
つまり俺はこのチームの足手まといってことだ。最初から分かってたけどね……
試合中ずっと、上のギャラリーからアリスの罵声と、幸のかなり恥ずかしい声援が絶えず俺の耳に届いていた。
紫苑はというと、時々上を見上げる俺に視線だけで『頑張って!!』と激励の言葉を送ってくれた。しかし、リンゴみたいに顔を真っ赤にしていたのは謎だったけど……
目の前では、作戦ボードを手にギンジがメンバーに、後半に向けての指示を身振り手振りで出している。
はぁ〜…マッチアップは変えないのね……
(この点差…この状況…何とかしないと!! このままでは完璧に俺の責任で負けてしまう!!!)
決心した俺は心の中の“アイツ”に話しかける。
(おい凶太! 後半はお前が俺の代わりに出てくれ!! お前スポーツ得意なんだろ!??)
(あぁ!?!? 嫌だね。てか、幸がいるじゃねぇか。俺たちは出てこれねぇよ)
(大丈夫だ。幸パワーはギリギリ届かない!)
(嫌ったら、嫌だね。なんで俺がそんなメンドクサイことしなきゃなんねぇんだよ……)
これ以上は無理だと思った俺は方向性を変える。
(くっ…じゃ、じゃあアドバイスか何かないのかよ!??)
凶太はしばらく考え込んでから、タメ息まじりに吐き捨てた。
(アドバイスねぇ…… はぁ〜、わーったよ。1回しか言わねぇから、そのミクロ単位の耳の穴かっぽじってよく聞けよ〜)
なんかムカつくが、せっかくアドバイスしてくれるというのだから、そこは自重した。
(お、おう! よろしく頼むぜ!!)
(………俺はお前でお前は俺。魂は違えど器は同じ。戦うべきは己自身。信じるべきも己自身。迷うな、突き進め。強請るな、勝ち取れ。………それだけだ、じゃーなっ)
そう言い終わった瞬間、俺の心の中からすぅっと凶太の気配が消えた。
(って、おいっ!! わけわかんねぇよ!!! もうちょっとマシなアドバイスは無いのかよ!??)
何度呼びかけても心の中から依然返事は無い。
すると体育館中にブザーの音が鳴り響き、審判の声が上がった。
「後半を始めますっ! 選手たちはコートに入って!!」
両チームの選手たちがゾロゾロとコートに向って歩いて行く。
必死でさっきのアドバイスと言えるかどうか判らない言葉の意味を理解しようとしていた俺も、仕方なくコートに入る。
後半は、負けているチームからのスローインで試合開始だ。
スローインはギンジではなく、他のメンバーが行うことになった。ギンジを攻めやすくするためだ。
しかしその案は、ボールがコートに入る前から崩れ去ってしまった。
なぜなら、ギンジに元バスケ部員が2人もマークについたのだ。前半すべての得点に絡んだ、このチームの頼み綱であるギンジが完全にシャットアウトされてしまった。
そんなこんなしている中に、ピー、という試合開始を告げるホイッスルが鳴ってしまった。
スローインをするメンバーはギンジにパスができないから、仕方なく一番近くにいた俺にボールを渡した。
ボールをもらった俺は周囲を確認する。すると周りには自分のチームのメンバー以外誰もいなかった。それもそのはず。相手チームの元バスケ部員以外の3人は、ゾーンDFを組んでいたのだ。余談だが、2人がオール(ハーフ)コートDF、残りの3人が三角形のゾーンを組むこの形は“トライアングル&ツー”と呼ばれている。
たぶん相手チームの作戦は、スコアラー(得点源)であるギンジを抑え、そしてゾーンによって中を固めて外からシュートを打たせ確実にリバウンドを取ろう、というものだろう。
2週間練習したとはいえ、素人同然の奴の外からのシュートが入るなんてことはまず無い。これは実に良い戦法だ。
(…って感嘆している場合じゃねぇ!!!)
焦っている俺の脳裏に、さっきのアドバイスの言葉が浮かんだ。
(俺はお前でお前は俺。魂は違えど器は同じ………そうかっ!!)
考えて末、俺は一つの答えを導き出した。
俺はまずドリブルでフロントコートまでボールを運ぶ。そして相手ゴール真正面の3Pラインの外側で停止した。無論ドリブルは続行中だ。ここからはフロントコート全体を見渡せる。
ギンジは、なんとか2人のマークを振り切ろうと必死になっているが無理そうだ。残りの3人は、いい位置で俺からのパスをもらおうとコート中を駆け巡っている。
相手のゾーン3人組は、ボールを持っている俺からかなり遠くでDFしている。たぶん“俺はパスしかしない。たとえシュートを放ったとしても絶対外れる”という考えからの行動だろう。
(戦うべきは己自身…信じるべきも己自身っ!!!)
相手チームの期待を裏切り、俺はシュートを放った。
俺の立っている場所は3Pラインの外。よって、放たれたシュートは“3Pシュート”となる。
放たれたボールはバックスピンがかかりキレイな孤を描いて、パスッ! とノータッチでリングに吸い込まれた。
数秒後、驚きのあまり静まり返っていた体育館中が、ドッとどよめいた。
うっわ、恋愛小説じゃねぇ!!!
……でもいいんです!
なぜならこの「マサ男」は、栄太の日常を書いていく作品なのだから!!!
……開き直りです、すいません。
それでは、第十四話を読んでくださった読者の皆様への無上の感謝を、次回まで。




