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クラス・オブ・ファンタジー  作者: 黒川 セキナ
3/4

これが本当のぼっち

サブタイトル通りの内容かと!思いますけどね!ええ!

 

 ログインが完了して目を開けるとマイルームにあるベッドの上であった。


「よっこいしょっと…」


 立ち上がり右手の中指と親指を擦りパチンとなる。

 すると目の前に半透明なウィンドウが現れ、装備を着けていく。


「えっと…デルト装備一式揃ってるな…よし!」


 デルト装備とはNPCが売っている中級者向けの装備だ。

 強くもなく、弱くもない…と言いたいが、ギルドに入ればこんな装備はカス装備だ。


 何故ギルドに入ればこんな装備はカス装備になるのか。

 ギルドには特典がある。

 一番大きい特典はギルドに参加するとサブ職業が選択可能になることだ。


 サブ職業とは生産系職業のことを示す。

 例えば、鍛冶、衣装、魔道具、料理、などのことだ。

 鍛冶は素材を使い、武器や防具製作。

 衣装は見た目がダサい防具ではなくカッコイイ衣装やカワイイ衣装に見せることが可能。

 もちろんビキニアーマーなど見た目がふざけた衣装でもしっかりと防具が装備されている状態になる。

 料理も必要なくね?と思うがバフ効果が存在し、一時的に少し強くなれる。


 ギルドに入る必要はあるのか?と思うが、サブ職業を選択するには条件がある。


 一つ目は、LV.55以上

 これはすでに達成済みだ。


 二つ目は、サブ職業を習得するのに必要なアイテムだ。

 これは通常アイテムに加え、どんなサブ職業でもギルドクエストの達成報酬のアイテムが必要になる。

 鍛冶職ならギルクエを受け鉱石系を数百と集め納品。

 すると鍛冶職を獲得するのに必要な紋章が手に入る。

 その紋章と誰でも手に入る鉱石系を鍛冶職人のNPCに持って行くことにより、サブ職に鍛冶師が追加されるのだ。

 そして、俺はまだサブ職を決めていないしギルドにも入っていないので現在不可能な状態だ。


 ギルドは最低10人必要で、自分1人で作ろうとしてもできない。

 では、心優しいギルドに一時的に入れてもらいサブ職を獲得すればいいのでは?と思うが、こちらもできない。

 サブ職はギルドに入隊している時のみ出現する職であり、ソロだと使えなくなってしまう。

 他のギルドに入隊すれば継続して使えるので”普通”の人は苦労しない。

 それにサブ職は何かを消費して製作するのが基本のためその材料にはギルドアイテムが必要になる。

 もちろんそのギルドアイテムはギルクエの達成報酬である。


 なのでソロでやってるカルピンにとってサブ職業とは夢のまた夢であり、サブ職を持っている鍛冶師の作った強力な装備なんて、まず手に入らない。

 ある方法を除いては……


 その方法とはギルドから装備を購入するのだ。

 タダでくれる人はまず居ない。

 そして俺は有名人だ。悪い意味で…

 そんな俺が強い装備を求めてギルマスに頼むとどうなるか……

 かなりの額での販売になる。


 ギルクエの材料以外を集め、さらに追加で1億シルバーを用意しても売ってくれない。

 どこのギルドに頼んでも同じことを言う。


『そんなんじゃ足りない。』


 この一言だ。

 素材を集めるのも苦労したが1億シルバーで、なんでダメなんだと聞いても、『もっと持ってるだろ?10億はないと渡せないな』と返してくる。


 1億シルバーは一日5時間狩りをして10日で集まる金額だ。それを10億となると所持金の殆ど渡してしまうことになる。

 だが、それでもNPCの装備より圧倒的に強い。

 これ以上強い装備を用意する方法はないので仕方なく10億シルバーと材料を渡し買うことにした『魔鉄の剣』を…


 ☆


 1ヶ月ほど前のことを思いだしながら腰につけた『魔鉄の剣』をなでる。


「ギルドのことは考えないようにしよう。もしかしたら60になれば良いスキルが手に入るかもだし……」


 そんな希望を抱きながらマイルームから始まりの街の『ルビア』に出る。


「えっと……まずはモンスターを復活させないとな。」


 テイムモンスターを復活にはランクごとに教会でシルバーが必要だ。

 F・・・1万シルバー

 E・・・5万シルバー

 D・・・10万シルバー

 C・・・50万シルバー

 B・・・100万シルバー

 A・・・1000万シルバー

 S・・・1億シルバー

 SS・・・10億シルバー

 SSS・・・100億シルバー


 と教会に表示されている。

 最初にSSSの100億とか無理だろと思ったが心配なかった。

 そんなモンスターはまずテイムが無理だからだ。

 確認できている最高のモンスターは、Aランクの『レッドドラゴン』だろう。

 ただし、ギルドクエストの討伐対象として確認されただけであり、最低LV.60~最高LV.71。平均約LV.68というギルド人数100人の超大型ギルドがやっとの思いで倒したモンスターだ。

 それを1人で倒し、さらに低確率でテイムだ。笑うしかない。


 そんな下らないことを考えていたら教会に着いた。

 すると1人のプレイヤーフードを深く被り祭壇の前で祈っている。

 どうやらテイマーのようだ。


 テイマー仲間としてこれは声を掛けようと近づくと俺の足音で相手が気がついた。


「おっと、悪い。」


 謝ると相手は立ち上がりこちらを向く。


「カルピンさんですか?」


 どうやら俺のことを知っているらしい。

 それはそうだよな……よくヘボプレイヤーとして動画に晒されているのだから。


 だが、せっかくなので新しいテイマー仲間として迎えれようと手を差し出す。


「カルピンだよろしく。」


 10秒くらい握手を求めたが、相手の反応はない。

 仕方なく手を引き肩を竦める。


「ま、何だ。テイマー同士頑張ろうな。」


 そういうと相手は腹を抱え笑いだした。


「くっくっく。あぁ~もうダメ……笑いすぎて死にそう。」


 首を傾げ見ているとフードを外し顔を出した。


「俺がテイマー?おまえと同じカス職と一緒にすんなよ!そもそもテイマーを使ってるプレイヤーがどんだけいるのか知ってるか?」


 フードを外したことにより頭の上には戦士職のマークが出現していた。


「知らないね…そんなことには興味ない。」


 知らないというよりここ半年以上は見たことがないのが本音だ。


「くっくっく。知らないね…良いこと教えてやるよ。ついさっき1周年記念に職業別の人数が公開されたんだよ。もう可笑しくって腹が裂けそうだったよ。」


 俺はゴクリと唾を飲み込み次の言葉を待つ。


「1人だってよ!ぎゃあはははははは!」


 男はそういうと俺の肩を叩き去って行く。

 俺は思わずショックで膝を着いてしまった。


「嘘だろ……1人って……」


 それから10分ほど膝と手を着きブツブツ呟いていたが、ふと思った。


「あれ?テイマー職1人だからって関係なくね?今までもこれからも同じじゃん。」


 そういやそうだと思いなおし、テイムモンスターを復活させるのであった。


作者:なんとなく主人公って落としたくなる(ゲス顔)

カルピン:そんな作者に俺は負けない!

作者:いや、作者の自由だからな?そんなこと言っていいの?

カルピン:(´・ω・`)

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