STATE0 眠りから その1
こんにちは、です。
二つ目の投稿だったんですけど、友達から異世界ものがいんじゃね? って言われたので書いてみました。投稿は遅いですが、頑張ってみたいと思いますです、はい。
というわけで、異世界転移は書くの初めてなので、かなり緊張していますが、やっていきましょー。
楽しくないかもしれませんが、そこはご愛敬で(笑)
因みに最初のあらすじとしては、私の小説の一番上に載ってあるあらすじをご参照のほど、よろしくお願い致しますー。
(ここはどこだろうか・・・?)
男はベッドから体を起こす。体は重たく、起き上がる自体がかったるく思うほどに疲れ切っていた。
男は、つむじから三本生えている茶色がかったアホ毛を揺らし周りを見渡す。
(・・・? 俺こんな家に住んでたっけ?)
壁は木でできており、恐らくは木製住宅であることを連想させる建物。ベッドは羽毛で柔らかく、男が見るに、部屋にはベッドと机、椅子しか置いていない。しかし机の上には、乱雑した本の山が机の上を埋め尽くすように置いてある。
(すんごい生活感が溢れかえってるんだけど・・・。)
男はのっそりとベッドから体を離れ立ち机に向かい、一番上に置いてある分厚い本を手に取る。
「これは・・・っ。」
男は、その本のタイトルを見て目を疑った。
「よ、読めない・・・。」
その本には、ハングルか何かににた様な単語が書かれている。取りあえず日本語や英語といった類のものではなかった。
(何なんだ一体・・・。拉致られたのか・・・? でも俺は・・・。)
男は、呼び起された記憶を雲散するように頭をブンブンと横に振る。
「・・・いやいや、過去より今だな。ここはどこか・・・。」
そこで、不意に扉が小さく動いた。とても小さく動いたので、注視しなければ気づかなかったであろうその動きを、男は気づき、扉に目線を停滞させる。
「・・・だれ?」
男がそう言うと、扉はゆっくりギギギィ、と音を立てて開いていった。
「・・・・・・。」
そこに立っていたのは小さな女の子。
足元に届きそうなほどに長く綺麗な赤色の髪に、顔を覆う長い前髪から覗くくっきりと丸いくりんとした赤い瞳。華奢なその体は、大きい白いTシャツを着て、Tシャツの首回りからは、両肩が鎖骨と共に見え隠れし、黒く膝を隠すほどの長い靴下を履き、小さい茶色のブーツを履いている。
どこからどう見ても家出してきた小学3年生にしか見えない程の小さな女の子は、男に向かって恐る恐る歩を進める。
「? ??」
少女はいよいよ男のそばにまでたどり着いた。男は不振な表情を浮かべ少女を見下ろしていると、少女が上目遣いで見つめてくる。
「あ、あの・・・。」
「えぁ?」
男は一歩後ろに後退ってしまう。しかしそれでも、少女は男に向かってもう一歩進む。
「・・・・・・。」
(これは・・・なんだ? この少女はなんだ??)
すると、少女が口を開いた。
「あの、大丈夫、ですか・・・?」
(・・・・・・???)
男は首を傾げる。まるで状況がつかめていない男は、現状にもまるで対応できないでいる。
「あなた、が、倒れてて・・・、どうなるかと、思った・・・。」
「え・・・? 倒れて、え・・・?」
男は尚もわからずに頭の上の?を増やす。
「えっ、とね、私、とお姉ちゃん、お買い物してて、道中で、あなた、見つけた・・・。」
(どうやら俺は、路上で倒れていたらしい。・・・なんでや?)
男はさらに頭を抱える。最早訳が分からなくなっている男は、半ばパニック状態に陥っていた。
(わかんねぇ! さっきからさっっっぱりわかんねぇ!! だって目覚めたらベッドの上だよ!? おかしいでしょ?? だって俺って、確か・・・。)
男は、頭を抱えてしゃがみこんでしまう。男の顔からは、大量の冷や汗がにじみ出ていた。
「死んだ・・・よな・・・?」
少女は男が急にしゃがみこんでしまったのが心配だったのか、一緒にしゃがむ。
「大、丈夫・・・?」
男は少女を見る。そしてすぐに地面に視線を向けた。
「あ、ああ、大丈夫。・・・いや、やっぱだめだ訳が分からん・・・。」
少女は首を傾げるが、特に心配ないと感じたのか、しゃがんでいた体を起こすように立った。
「・・・じゃあ、私、お買い物・・・。」
少女はそう言うと、男を置いてそそくさとその場を去ろうとした。
「えっ!? ちょっ」
また買い物か!? と男が言おうとしたがすでに遅く、少女はすぐに扉を開けて去っていった。
「・・・・・・はぁ。」
男はそのまま、しゃがみこんでため息を吐く。
その時、突如目の前が揺れるような錯覚に陥る。男は、自分の額を抑え、ゆっくりと再び立ち上がってみた。すると目線の左端に鏡が映り込む。反射的に鏡の方を向くと、そこには顔を赤くした男自身が映り込み、この時男はベッドから起きた際に体が重かった原因を知った。
「・・・はぁ、熱か?」
男はそう言うと、先ほど横になっていたベッドに戻り、上に座る。すると、ベッドの上が予想以上に心地いいものに感じた。
「やべ、また体が重く・・・。」
男は重力に従うように、座っていた体を、勢いよくベッドに寝かせる。すると、男は突然の眠気に襲われた。
「・・・んく。」
(まぁいいや、きついのは確かだし・・・。後のことは起きたら、考えよう・・・。)
そしてそのまま男は目を閉じて、小さく寝息を立てはじめる。そして男は、自分に起きていた過去の一部を、繰り返し夢に見ることになった・・・。