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現代日本で暮らす魔女の日常   作者: 月乃 綾
高校入学なのですっ
4/6

1-4

 自己紹介が終わったので、今日のすることは終わりです。でも、終業のベルが鳴っていないので解散はできません。

 この時間で、明日やる予定の係決めをしてしまうクラスもあるそうですが、響先生はそうはしないようです。

「互いのことを大して知らないのに、クラスの係なんて決められないだろうからな。これからの時間は自由だ。隣のクラスに迷惑がかからない程度に話したり騒いだり、好きにしてくれ」

「「「おおーっ!」」」

 おお、この先生良い人です。

 先生の言葉に、クラスが沸き立ちました。そしてら向かう先は……え? 私?

「さあ、質問タイムだーー!」

「「「おおーっ!!」」」

 男子も女子も一箇所に集まり、男子生徒が叫びを上げます。

 ええと、彼は確か……杉下巧くん、でしたか。野球部希望だったと思います。

「まずは俺からだ! 春奈さん、真里亞さん、彼氏とかいる?」

 ゴクリ。そんな音が男子生徒の間から聞こえます。

 な、なんでしょうか、この静かな威圧感は。真里亞さんなんて気圧されて涙目ですよ。

「いませんよ」

「い……いない、です……」

 でも私には効きません。お師匠様はの威圧はもっと凄いですからね。さらりと否定を返します。

 しかし、真里亞さんでも恋人っていないんですねえ。アレでしょうか、高嶺の花すぎて誰もが手を出せない、みたいな。

 私たちが答えた瞬間、男子たちが叫びます。

「ウォォーー! 野郎共、勝鬨だあ!」

「「「ウォォーー!!!」」」

 女子は女子でホッとしてます。何なんでしょうか。

「真里亞さんでも恋人っていないんですねえ」

「は、春奈さんこそ」

 もじもじしてる真里亞さん、激かわヤバス。何ですかこの可愛い生き物。恋人がいないんでしたら私と付き合ってください。

「では、次の質問だぁ! 二人とも、好きな異性のタイプは!?」

 清々しいほどに直球ですねえ。下手に取り繕うよりは好感を持てますよ。

「そ、そんなの、答えられませ」

「一緒にいて楽しい人ですね。巧くんなんてポイント高いです」

「春奈さん!?」

 あっさりと答えた私に真里亞さんが慌てています。そして巧くんは何やら絶叫。男子から射殺さんとばかりの視線が突き刺さっています。

 そんな状況を作り出した私と言えば、真里亞さんを愛でていました。

「春奈さんと真里亞さんって仲良いよね。知り合いだったの?」

 男子の惨状を傍目に話しかけてきたのは、鈴木清香さん。艶やかな黒髪の、和服の似合いそうな大和撫子です。

「いえ、今日が初対面ですよ」

「嘘!? 全然そんな風に見えない」

 清香さんの周りの女子も同じように驚いています。

「そこはほら、真里亞さんが可愛いからですよ」

「ふぇえ!?」

「ほら、こういうところです」

「なるほどねー」

「これは可愛いわ〜」

「私も触りたいっ」

「ダーメ、真里亞ちゃんは私のですから」

「ふぇぇえええ!?」

 ひし、と真里亞さんを抱え込みます。あ、頭がちょうど胸のあたりにやってきて撫でやすい。素晴らしい抱き心地ですね〜♪

「春奈さん、表情が崩れてるよ」

「でもそんな春奈さんも綺麗〜」

「む。私、レズは受け入れてませんからね!?」

「私もだよっ!」

 あはは、と笑い声が漏れます。

 みんな、いい人で良かったです。楽しい学校生活になりそうです。

 これから一年、よろしくお願いしますね!

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