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現代日本で暮らす魔女の日常   作者: 月乃 綾
高校入学なのですっ
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1-3

「とりあえず、空いている席に適当に座ってくれ」

 担任らしき女性にそう言われたので、私は真里亞さんと隣の席に座ることにします。正真正銘、お師匠様以外で初めて話した相手です。逃がしはしませんよ。

 しかしまあ、見事に男女に分かれましたね。やっぱり同性の方が気安いですしね。

 あ、一部隣同士でいちゃついてる奴らがいますです。周りの男子も殺気立ってますね、爆発しろです。

「私がこのクラスの担任になった、空音響ソラネヒビキだ。以後一年、よろしく頼む」

 凛として格好良い女性ですね。黒のスーツにメガネ、背後にまとめたポニーテール。端正に整った顔。美人です。お姉様と呼ばせてください。

 そんな感想を抱いたのはみんな同じなようで、男子のみならず女子までうっとりとした表情をしています。

「色々と決めないといけないことは多々あるが、まずは自己紹介をしてもらおう。順番は、そうだな。そこの男子、君からだ」

「は、はいっ」

 響先生が指名したのは、左前に座っていた生徒です。

「栗原悠斗です。ええと、サッカーが得意です。高校でもサッカー部に入るつもりです。よろしくお願いします」

 ふむ。自己紹介って何を言えば良いのかよく分かりませんが、とりあえずは名前と得意なことで良いですかね。

「佐々木涼です。悠斗とは同じ中学でした。テニス部に入ろうと思っています。よろしく」

 しかし、部活ですか。どうしましょう。

 お師匠様は、『高校は将来が見えていない奴らが、将来を決める時間を稼ぐために行くところだ』なんて言っていたので、その辺は全く考えていません。

 あ、お師匠様の言葉は信じていませんよ。あの人は一般的な感性を持っていないので、言葉を鵜呑みにしてはいけないのです。

 そんなことを考えていると、いつの間にか私の番が回ってきてしまいました。仕方がありません、部活に関しては考え中でいいでしょう。

「菜摘春奈といいます。山の方の中学出身なので、あまり知り合いがいませんが、皆さんに仲良くしてもらえると嬉しいです。得意なことは家事全般、特に料理です。何部に入るかは、まだ考えてません。よろしくお願いします」

 頭を下げて着席します。ふう、上手くできたでしょうか。

 ……あれ?

 周りを伺うと、放心したような顔で私を見ている人が多くいます。そんな変でしたかね?

 真里亞さんをつついて聞いてみます。

「……へっ!? い、いや、凄く綺麗だったと思うよ!?」

「……?」

 よく分かりませんね。でも、失敗したわけではなさそうなので一安心です。

 数秒して我に帰ったのか、後ろの生徒が自己紹介を始めました。

 クラスみんなの名前なんて、一日ではとても覚えられそうにありません。

 でも、友達をいっぱい作るために頑張ります!

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