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現代日本で暮らす魔女の日常   作者: 月乃 綾
高校入学なのですっ
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1-2

 校門をくぐって学校の中へ。

 確か、新入生は講堂に集合って言ってましたね。人が集まってる場所があります、あれがそうなのでしょう。

 人の流れに乗って中へと入ります。わあ、薄暗い。鈍臭い人は転んでしまいそうです。

 私? 大丈夫です、夜目が利きますので。薄暗くてもへっちゃらなのです。

 確か、先日送られてきた書類に私のクラスが乗ってましたね。1ーAだったと思います。クラスごとにまとまるので、私の席はこの辺ですかね。

 取り敢えず、張り紙に従って席に座ります。

 なんと言うか、浮ついた雰囲気がありますねえ。あれです、新しい学校で不安と期待に胸を膨らませウンタラカンタラ。祝辞とかの常套文句ですよね。

 けれど実際、その通りだと思うんです。環境が変わるのって期待ありまくりですけど、やっぱり不安もあるんです。私の場合は特に、これまでとは全く違う環境になりますので。

 ……ちょっと寂しくなってきました。たまには、お師匠様の所にも顔を出してあげますかね。

 おっと、先生がやってきたようです。入学式の始まりですね。

『皆さん、ご入学、おめでとうございます』

 そんな言葉から始まった校長の挨拶。大人って何で退屈な式が好きなんでしょうか。アメリカみたいに楽しい式にすればいいと思います。卒業式に帽子と制服を放り投げるとかやってみたいです。

 長い長い挨拶の後、何度かの起立礼を繰り返し、入学式は終わりました。

 退場はクラス順なので、私たちが一番初めです。

『A組、起立!』

 担任の先生でしょうか? 若い女性の声に合わせて立ち上がります。

 おや、隣の子が眠っていて、気が付いていませんね。起こしてあげましょう。

 方を軽く叩いてあげると、その子は目を覚まし、周りの生徒が立っているのに気づいて慌てて立ち上がりました。私の方を見て申し訳なさそうな顔で両手を合わせています。舌がちろりと覗いていますけど。面白そうな子ですね。

 軽く手を振って返事の代わりにして、移動です。

 遠いです、遠すぎです。私たちのクラス、講堂から見て反対の棟の最上階なんですよ? 四階まで階段を上ると、インドアな私は息がゼイゼイです。ヘロヘロになってしまいました。

「大丈夫?」

 制服を引かれ、声を掛けてくれた子がいます。振り返ると、先ほどの居眠り少女でした。

「はい、疲れただけなので気にしなくてもいいですよ」

 そう返事をすると、にっこり笑ってくれました。

 ……すげー可愛いです。

 いや、本当に。襲いたくなりそうです。

 フワッとした茶色の髪に白い肌。目はくりっとしてして、スッとまっすぐに伸びた鼻筋、ピンク色でぷるんとしている唇。身長は小さいのもあって、コロコロと変わる表情はまるで小動物のように魅力的です。

「私、真里亞マリアといいます。よろしくね」

「こちらこそ♪ 私は菜摘春奈です」

 いきなり友達ができてしまいました。幸せすぎて死んでしまいそうです。

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