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どうも、春奈と申しますー。
本日をもって高校生になりました、ピチピチの17歳です!
え、ピチピチなんて今時誰も言わない? 気にすんな! 細かいこと言ってると禿げますよ。
森の奥でお師匠様と一緒に暮らしてるんですけど、山の麓にあった小、中学はともかく街にある高校まではとても通えません。なので、これから高校で入学式に出て、それからは一人暮らしの始まりなんです!
いやあ、嬉しいですね、一人暮らし。お師匠様との生活も嫌なわけじゃないんですが、もううるさいのなんの。やれさっさと起きろ、掃除をしろ、髪がボサボサ、服が着崩れてる、歩き方がはしたない、みたいにいちいち口を出されるんです。もう、あの人は私に何を期待してるんですかね。
だから、そんなお師匠様と離れて暮らせる一人暮らしは本当に楽しみ!
さて、何はともあれ高校ですね。入学式に出なければなりません。このために、私は今日、朝5時に家を出ました。
今日から一人暮らしオッケーなんだったら、昨日の夜から街のアパートに泊まらせてくれてもいいと思いません? なのにお師匠様ったら、1日くらい我慢しろーなんて言って許可してくれないんです。何がしたいんでしょうね? 不思議です。お師匠様の頭の中は七不思議が詰まってます。
で、それから1時間くらいかけて下山して、またまた1時間くらい歩いて駅まで行きます。今はここ、歩いてるところです。遠すぎます。そのあと電車で1時間くらい揺られて学校最寄りの駅に着きます。そこから20分くらい歩けば到着です。
でもアパートからなら徒歩五分です。
なんかもう、文句があり過ぎて逆に何も言えなくなる感じしません?
まあそれはいいです。
春菜さんは大人ですので、過ぎた事をぐだぐだ言ったりはしないのですよ。
電車がやってきましたね、乗りましょう。地方の小さな駅ですので、二車線しかありません。東京のような都会になると、数えきれないくらいの車線があるそうですね。考えられません。良く迷わないものです。まあ、私には関係のないことです。
しかし、人がいませんね~。
こんな山のふもとの駅には、昔から住んでいる人か登山客くらいしか人が来ません。そういった人たちは大抵朝が早く、始発で移動したりするので、六時になってしまえば誰もいないのです。
かくいう私も今日だけですしね。
さて、ゆったりと電車に揺られること一時間。途中から人も増えてきましたが、ずっと山にこもっていた私に知り合いなどいないので割愛します、くすん。
いいんです、友達はこれからできますから!
電車から降りると、もう街です。人が歩いてます。いっぱいです。
山から見下ろす建物は小さく見えましたが、こうして見ると大きいですね~。凄いです、人類の叡智というやつです。というか歩きやすいですね、アスファルト。腐葉土は柔らかくて足が取られるので歩きにくいんです。舗装してあると大助かりです。
おっと、よそ見ばかりしていると他の人にぶつかってしまいますね。それに時間もそろそろやばいかもです。急ぎましょう。
ちょっと早足で歩いていると、十分くらいで校門が見えてきました。周りも、いつのまにやら同じ制服を着た生徒で溢れかえっています。
さあさあ、これから、私の高校生活が始まります。
一体どんな日々になるのでしょうか?