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夢の終わり
ある所に一人の少女と一頭の白虎がいた。
「ふわぁ、いい天気だ」
と白虎は言った。
「ねえ」
「ん?」
白虎は眠そうな顔を少女に向けた。
「この旅に意味はあったのかしら」
「在るといえば在るし、無いといえば無いな」
「そう」
と少女は、無表情のまま言った。
「意味は人が勝手に作ったものだ。気にするだけ無駄だろう」
横に倒していた体を丸め、白虎は言った。
「俺は寝るぞ」
「お休み」
少女は手を伸ばし、白虎の頭を撫でた。すると白虎の耳がぱたぱたと動いた。少女は撫でるのを止め、呟いた。
「存在する理由なんてないのかしら」
そして少女は眠りについた。