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25<レインvsノエル➁>

 開始の合図と共に、俺とレインは同時に魔術詠唱を開始した。


「【固まれ、コード#2d5667】!」

「【フルバースト】!」


 詠唱は俺の方が一手早い。

 俺が初期位置から一歩も動いていない以上、レインの先読みも通用しないはずだ。


 灼熱の弾丸がレインに真っ直ぐ向かう。

 その間にレインは紺色の絵具を切裂き詠唱を完了する。


「【鉄納戸】!!」


 レインの周囲に、鉄で覆われた小屋のような建物が構築された。

 これが【鉄納戸】と言う物なのだろうか。

 火炎弾が鉄納戸に衝突する。鉄と言うだけあってある程度の耐久性はあるみたいだが、リザの魔力保有量を生かした魔弾なら障害にならない。

 メキメキと木の板が割れていくように小屋を押し破り、貫通した。


 その先にレインは、いない。


 俺の視界から消えるために障害物を作ったのか。


「【落とせ、コード#417ab1 ジェイブルー】!」


 左だ!

 声の方角を確かめると、レインの剣先に小さな青い鳥型の召喚獣が形成されていた。

 青い鳥は羽ばたき、俺の方向めがけて猛スピードで突っ込んできた。


 普通なら走って避けてもいい場面だが、相手はレインだ。脚を使ってしまえば行動を先読みされる。

 追加の召喚獣を移動先に置かれ、捕まえられて詰みだ。


 そう、ここからが本番だ。練習の成果を見せるときが来た。


「【バースト】!!」


 俺は剣を右手に持ち、空いた左手から火炎を放って爆破させた。

 俺の体は爆風で吹き飛ばされ、校舎3階相当の館内天井近くまで浮上した。


 そのまま俺は左手からの火力を調節しつつ、空中で姿勢を保持した。


『な、なんとぉ! リザさん空を飛んだぁ!!』


 モニカの声が館内に響き、生徒達が歓声を上げた。 


 そう、俺が練習していたのはこれだ。火炎魔法を駆使した空中移動。

 本来の使用用途ではないため燃費効率は悪いが、リザの魔力保有量なら問題ないだろうと思っていた。


 レインが足の動きを観察して先の行動が読めると言うなら、手で移動してやるまで。

 空中浮遊する相手の動きまでは読めないだろ、レイン。


 上空からなら相手の位置もよく見える。

 ここから距離を保ち続け、一方的に中距離攻撃を叩き込んでやる算段だ。


 もちろん、そうさせないためにレインは攻撃の手を緩めない。 

 先ほどの青い鳥の召喚獣がこちらに向かってきた。

 今度は真っ直ぐ向かって来ず、火炎弾の射線に入らないようにジグザグな動きで翻弄しながら素早く近づいて来る。


 レインは間髪入れず、さらに追加の召喚獣を一体呼び出す。


「【喋れ、コード#6f7f39 パロットグリーン】!」


 今度は緑色の中型の鳥。オウム型の召喚獣だ。

 続けざまに空中にいる俺にも攻撃が届く飛行型を出してきた。まだまだストックがありそうだ。

 このまま召喚獣を呼び出され続けると物量で負けてしまう。早めに撃ち落としてレイン本体に攻撃しなければ。


 俺はジグザグに飛ぶ青い鳥に魔剣を向け、広範囲の火炎魔法を詠唱する。


「【ワイドバースト】!」

 

 放たれた広範囲の火炎の渦に巻き込まれた鳥は燃え尽き、絵具のように融解し消えた。

 火炎による煙に遮られて今は見えないが、レインのおおよその位置は分かっている。

 すぐさまレインの方に向けて火炎魔法を撃とうとした。

 

 そのとき、背後からレインの詠唱が聞こえた。


「【死ね、コード#00AEEF】」


 後ろをとられた!? いつの間に?

 しかも物騒な詠唱……何をする気だ!?

 

 俺は振り返り、すぐさま反撃のため声の方角を切り払った。

 手応えはあった。だが剣の感触がおかしい。


「【シアンブルー】ゥゥ!」


「何っ!?」


 そこには先ほど召喚された緑色の鳥が羽ばたき、声を響かせていた。

 つまり今詠唱したのはレイン本人ではなく、このオウムの召喚獣。

 周囲の魔力に変化は見られない。つまりこの詠唱呪文に意味は無く、完全に囮として発せられた音声だ。

 俺のとっさの一撃でオウムの召喚獣は悶絶し溶け落ちた。だが、これはレインの想定内だろう。

 

「【握りつぶせ、コード#BBE2F1 ベビーブルー】」


 やられた。背後に気をとられ目を離したことで、レインに詠唱の隙を与えてしまった。


 今唱えられたのは以前俺を捕らえた設置型召喚獣の名、巨大な手指で俺を掴む【ベビーブルー】……。

 だが、俺は未だ火炎魔法を駆使して空中にいる。地面から生えるタイプの召喚獣を一体どうする気だ?


 ……まさか!?

 上だ!!


 頭上を覆う様に影が迫る。

 天井から生えた巨大な手指が俺に迫った。


 あの召喚獣は地面限定じゃ無く、壁なら何処でも生やせるのか!


 巨大な手が、俺の服の端を掴んだ。  

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