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11<入学試験編➁>

 実技試験では試験官との1対1の手合わせを2回行う。

 1回目は支給された魔剣で手合わせする。

 2回目は持ち込みの魔剣を使用して良いフリースタイルだ。


 俺達にとって最大の難所は1回目の戦闘試験。

 支給された魔剣に俺のような耐久性能は無い。魔力のコントロールも困難だ。

 リザのこの1ヶ月の努力を否定しているわけでは無い。以前と比べれば技術は格段に向上している。ただそれでも『魔剣に魔力を流し込むと2秒で破壊していたが、今は15秒で破壊するようになった』というレベルであり、率直に言って点数を付けられない。

 つまり1回目の試験は0点だ。


 1回目の配点200点を丸々失う事になれば、900/1000点以上が必要な特待クラスには逆立ちしても入れない。この試験はリザの代わりに俺が受けることが必須条件。


 では俺が受ければどこまで行けるか。


 去年試験を受けた時、1回目の戦闘試験は155/200点だった。もちろん俺はこの点数を超えるつもりだ。これは入学試験時より戦闘経験が増えているからというだけの話ではない。


 リザの姿になれば、リザの豊富な魔力保有量で戦える。そこへさらに『俺の魔力適性』が『加算』されるからだ。


――――


 俺の魔力適性はリザとは真逆のタイプ。

 魔力保有量は他より劣るが、魔力回路の伝導率が全体的に平滑化しており自在性・感応性に非常に長けている。要は魔力を扱いやすいタイプだ。


 例えるなら、一般的な魔術師が魔力回路を扱う場合、気性の荒い馬を乗りこなすくらいの努力が必要だが、リザが扱う場合は逆鱗に触れられ暴れ回るドラゴンを乗りこなすようなもので、ほぼ不可能。

 対して俺は小型犬を散歩に連れていく程度、鼻歌交じりの感覚で扱える。コストパフォーマンスも良いため、自身の身体強化に限れば魔力貯蔵量の少なさは問題にならない。


 良いことずくめに思えるかも知れないが、この「扱いやすい」はデメリットもある。自分にとって扱いやすい魔力回路は、相対する敵にとっても扱いやすい。


①精神操作系の魔術に非常に弱い

②魔力を含む攻撃呪文を通しやすく、小さなダメージが致命傷になり得る

③魔力回路の解析が容易であり、捕縛された時の情報漏洩の危険がある


 このデメリットが浮き彫りになったのが2ヶ月前、俺が魔剣学園にいた頃の話だ。

 入学して10ヶ月も経てば、1年生も魔力を行使する機会が増えてくる。教室内に魔力のノイズが充満するようになっていた。

 普通であれば拾わない程度のノイズを、俺の魔力回路は拾ってしまう。


 授業中に俺の魔力回路は意図しない形で暴発。この事故で同級生の1人を重傷に追いやった。


 どうあれ、俺が自分の魔力回路を制御出来なかったのは紛れもない事実。3ヶ月の停学処分を受け、俺は【不適合者】の烙印を押された。

 「扱い易過ぎる」と言う理由で不適合者となった例は、おそらく俺が初めてだっただろう。


 余談だが、この感応性が【相手をコピーする】という魔剣性能を生み出したのかもしれない。


――――


 リザの姿になった俺はお互いの弱点を完全に克服できる。というか壊れ性能レベルにまで引き上げられる。

 相手の姿をコピーしたとき、魔力適正性能を『複製』するのではなく、俺の元々の魔力適性に『加算』する。例えば俺の魔力保有量が50でリザの魔力貯蔵量が1000とすれば、俺はリザに変身したとき1050の魔力貯蔵量になる。

 豊富な魔力保有量と自在性・操作性の良さを兼ね備えられれば、基礎魔術の分野において無敵と化す。

 その魔術を身体強化に全部つぎ込む。スピードとパワーを最大まで引き上げて、反応不可な攻撃で場外まで弾き飛ばす。

 一瞬でケリが付くだろう。


 強いて問題点を挙げるなら、目立つこと。

 

 入学試験で試験官が負けることはそうそう無い。直近で試験官が敗北したのは3年前までさかのぼる。

 俺の兄貴、アルト・フロックハートが2戦とも試験官をぶっ飛ばし400点満点を得たときだ。

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