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第八話 初めての川の字(以下定番)

「御主人さま~私を見てください」


俺は、言葉のとおり、魔眼でエルフの少女を見た。


名前:リン・イザル

種族:エルフ族(女性)

スキル:属性アローLv3、クイックショットLv3、魔力感知Lⅴ3

称号:マオの奴隷

JOB:弓魔師LV5


「俺は、マオだ。リン、なんで俺が御主人さまなんだ」


「はわわ、御主人さまは鑑定スキルをお持ちなんですね。さすがです。凄いです」


「いや、俺のは魔眼スキルだ。それより、質問に答えろ」


「え? 魔眼。あ、え~と、御主人さまが私を助けてくれました。深い深い悲しみの中にいた私を御主人さまが救ってくれたのです。御主人さまの暖かい気持ちが私の身体の中を巡り、私を暖めてくださったから、私はマオ様を御主人さまとして認めたのです」


「それ、魔淫スキルの効果だと思うよ」


ミーナが横から口を挟む。


「うるさい。貴女はさっきから何なのですか。御主人さまに好かれるなんて100年早いですよ」


舌を出してイ~ってしながら、リンは俺の背中に抱きついている。


ミーナの身体がブルブル震えていた。


リンも幼い感じだが美少女だ。美人な2人が喧嘩なんて見たくない。


俺は目の前にいるミーナに口づけをした。


「あ、マオくん、ずるいよ~」


魅了効果アップで30分はおとなしくしてくれるだろう。


さて、どうする。奴隷契約を解除することは街に行けば出来るのかもしれないが、リンが他の人の奴隷に

なるだけだし意味がない。


JOBが魔弓師であれば、戦力として使えるのではないだろうか。


とりあえず、惨劇の場にいても落ち着かない。


俺は死体の魂を素早く吸収して、金目の物をポーチに入れておいた。


しばらく道を進んで森の奥へ行ったところで適当な広場を見つけた。


今日はそこでキャンプすることにした。


俺がテントを設営している。ミーナは食事担当だ。


ミーナは、つい最近まで母親の手伝いなどをしていたから、家事が得意なのだそうだ。


リンは、ミーナの方に付いている。


「食事は奴隷の役目ですから~」


とか言いながら何か作っている。


その手際が良いのかミーナも特に文句も言わず、仲良く2人で準備しているようだ。


テントを設営し、テーブルを設置し終えた頃に食事も出来たようだ。


「はい、どうぞ」


ミーナからスープを受け取る。今日のスープは野菜スープだ。


旨い、やはりミーナのスープは旨い。完全に俺は胃袋を抑えられていると言ってもいいだろう。


「うまい。ミーナのスープは格別だ。ミーナの作ったスープより美味しいスープなんて飲んだことがない」


思わず、口から出た言葉に、ミーナは「マオくん、大げさ」とか言いながら、凄く嬉しそうな顔をしていた。


そしてミーナは、リンの分、自分の分のスープを取り分けた。


その時、リンが驚いた顔をした。


「奴隷は、御主人さまが残された時にいただけるのではないのでしょうか?」


ふむ、やはり奴隷商人に奴隷の何たるかを教わっていたのだ。


まあ、普通の奴隷はそうかもしれないが、リンは仲間にする予定だからな。


仲間なら一緒に食べないとダメだろう。


「リン、いいんだよ。一緒に食べよう」


ミーナも気付いているからこそ、リンの分も取り分けたのだろう。


リンは、ふるふるして涙をこらえていた。


「あ、ありがとうございます。御主人さまのために一層頑張ります」


感動しながらリンは、本日のメインディッシュ、猪の姿焼きを持ってきた。


「これは、私が調理しました。御主人さまの口に合えばいいのですが」


ナイフで適当な大きさに切り分けた肉を俺の皿の上に置き、何やらソースをかけてきた。


手元のナイフ&フォークで肉を一口サイズにして、食べてみる。


旨い、この肉料理も最高だ。ソースの味も素晴らしい。


「リン、この肉うまいぞ。ソースも素晴らしい」


リンも褒められ、いい気分のようだ。


ミーナに向かってのドヤ顔はみなかったことにしてあげよう。


3人が席につき、食事を始める。リンもミーナのスープを飲んで驚いていた。


自分の肉料理も自信があったのだろうが、ミーナの実力を認めざるを得なかったようだ。


「ミーナのスープ美味しいです」


「ありがとう、リンちゃん」


和やかに食事が進み、お互い自己紹介がまだであることに気づき、俺、ミーナと自己紹介をした。


「ふぇ、勇者(見習い)と魔王の息子のパーティだったんですか。本来敵同士なのに凄いですね」


リンは、俺とミーナを交互に見ながらびっくりしていた。


「私はエルフ族のリン・イザル。12歳です。JOBは弓魔師をしています。魔法で弓矢を作り攻撃するのが得意です」


何と幼いと思っていたが、リンは12歳だったか。


確かにミーナほど胸の発育は良くないが、12歳にしてはある方ではないだろうか。


「俺は、ミーナを勇者にするためにパーティを組んでいる。良かったらリンもパーティの一員になってくれないか」


「御主人さまのお願いを断る奴隷はいませんよ。私も実践を積んで、御主人さまのお役に立ちたいです」


嬉しいことを言ってくれる。早速、パーティ加入の儀式、というか手を合わせた。


これでリンもパーティの一員だ。


リンは、俺の顔をじっと見つめている。な、何だ、目を閉じたぞ。


これは、まさか、誘われている?


「ダメ~。はい、離れて。もうパーティ組んだのだからお終い」


ミーナが間に入ってリンと離れさせる。


可愛いな。やはり俺はミーナ一筋だな。ごめん、リンも可愛いけど妹のササみたいな感じだ。


リンは、ぶぅっと頬を膨らませていた。


食事の片づけも終わり、テントの中で3人は寝袋に包まった。3匹のイモ虫完成である。


しばらくして気配に気付く。魔物か? いや、違った、リンだった。


何か目を潤ませて「淋しいよぉ」とか言いながら、俺の寝袋に入ってきた。


おい、それはマズイ。確かに淋しいという気持ちは本当かもしれない。


だが、なぜ俺のところに来る。ミーナにみつかったら、……殺気を感じた。


うん、そうだよねミーナからの殺気だよね。


やれやれ、仕方ない。俺はポーチから少し大きめの寝袋を出した。大きさ的には3人余裕だ。


何故か母親が、「マオくんとミーナさんが一緒に寝るなら必要よね」と言って用意したものだ。


まさか使う時がくるとは。


「ミーナ、ミーナも一緒に寝よう」


「お、男の人と一緒に寝るなんて」


怒ってるのか、緊張してるのか分からないが、ミーナは来ない。


「ミーナ、頼むよ。リンが淋しがって一人で寝れないらしいんだ」


「ふ、ふ~ん。そうなの。そ、それなら仕方ないわね」


ミーナも一緒の寝袋に入ってきた。俺とミーナの間にリンがいる状態だ。


リンは俺に抱きついている。俺はミーナの頭を撫でながら言った。


「ミーナも俺のことを好きだったなんて嬉しかったよ」


「え、あ、だって私を助けてくれたし、マオくん年下だけど恰好いいし、好きになっちゃったんだもん」


可愛いなぁ。ミーナを抱き寄せ、額にキスをした。


「あっ」と声を出して、ミーナは小さな声で「好き」って言ってくれた。


リンは面白くないのか俺の腹にパンチをしていた。


まあ、効いてないけどね。


俺はリンの頭も忘れずに撫でてやった。


毎日更新と思っていましたが、23時間更新に決めました。

更新時間がわかり易くなれば幸いです。

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