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第十二話 まさかのカミングアウト

昨夜は何もなかったかのように朝食が始まった。そこに声がかかる。


「実は昨夜、魔族がこの家に来ていた。詳しくはマオから説明がある」


ミーナは、何事もないように朝飯を取り続けていた。


え? 魔族が来てたのに何とも思わないのかな。


「夜、俺たちが寝た後に1匹のレッサーデーモンが庭に来た」


「え? レッサーデーモン。全然気付かなかった」


ここでミーナが反応した。すかさずリンが言葉をかぶせる。


「ミーナ危機感ないよね。私は御主人さまとほぼ同時に魔族の存在に気付いたよ。ミーナの護衛をしてやってたんだから」


リン、ここぞとばかりにミーナを責めるな。ミーナ少し落ち込んでいるだろう。


「あら、私も気が付かなかったわ」


カルさん、ナイス。良いフォローです。


俺はわざとらしくオホンと声を出してから言った。


「そのレッサーデーモンが昨日の魔物を洗脳したらしい。さらにレッサーデーモンは、カーマ迷宮の主の魔王アルビドの手下だった」


「「「魔王」」」


俺とオルガ以外の3人が驚いた。


「なあ、ミーナ。前に勇者はこの世界に1人だけと言っていたが、魔王は複数いるのか?」


「魔王は深い迷宮内で生まれると言われているわ。通常迷宮99階が魔王の住処と言われているから、それぐらいの深さの迷宮であれば、魔王が生まれてもおかしくないね」


なるほど、迷宮があり、深ければ魔王が誕生するという訳か。


「しかし、昨日オルガからカーマ迷宮のことを聞いたが50階くらいまでしかないはずだったが」


「私が昨日マオに言ったことは本当だ。カーマ迷宮はそんなに深くない」


「では、どういう事なんだろう。もしかして迷宮が発展して深くなっているかとか」


推測だけでは結論が出ない。そこは、実際に迷宮へ行って確認するしかない。


「もし、カーマ迷宮が最近発展して深くなって生まれた魔王なら、まだそれほど時間が経っていないから弱いかもしれない」


ミーナが俺の考えていた不安を吹き飛ばしてくれる。


確かに生まれたての魔王なら、まだそれほど力をつけていないだろう。


俺が親父(魔王)と戦闘訓練してたとき、恐らく俺の本気は親父の50%いくかどうかぐらいだったが、新米魔王ならいい勝負ができるかもしれない。


迷宮は早目に攻略する必要があることがわかった。


「叩くなら急いで行きましょう」


こう言うところがミーナの勇者っぽいとこだと思う。まあ、未来の勇者なんだけどね。


「御主人さま、レッサーデーモンの気配が途中で消えたのですが、あれは?」


「リン、よく分かっているな。レッサーデーモンに逃げられそうになったので、竜翼槍でトドメを刺したんだ」


「さすが、御主人さまです」


って言いながら抱きつきに来るな、リン。可愛いけど、ミーナに嫌われるだろう。


マオくんてもしかしてロリコンとか言ってるし。


「そうだマオ、君の槍を見せてくれないか」


やや興奮しながら、オルガが俺に近づいてきた。


オルガの迫力に負けた俺は、オルガに竜翼槍を渡した。


「おぉ、やはり素晴らしい。先端にはミスリル金属を使っているのか。柄の部分の材料は何だろう。凄く軽いな。魔力回路も組まれていて、これはスキル付きの槍なのではないのかね」


「えぇ、三段突きというスキルが付いてます」


「なんと三段突きが付いているのか。素晴らしい、私もこのような武器を作ってみたいものだ」


オルガは感心しながら、自分ももっと努力しないといけないなと呟いていた。


そうか、オルガは鍛冶師でもあるんだ。


強い武器を作ってみたいと日頃から思っているのかもしれない。


「マオは、若いのにとても強いな。昨日のファイアといい、魔族を倒した槍の技といい」


「槍の技は、JOB魔槍師固有の技でライトスマッシュって言います」


「魔槍師だと。槍術と魔法の両方とも高い才能がないとなれない超レアJOBではないか。マオ、君は一体何者なんだ」


「ん、俺は魔王の息子だよ」


「「え?」」


「「あっ」」


オルガとカルさん、ミーナとリンがほぼ同時に声を発した。


と同時にオルガの殺気が高まる。


「そうか、まず倒さねばならないのは君だったのか」


今にも斬りかかってきそうな雰囲気の中、ミーナが間に入った。


「まって、マオくんは違うの。マオくんは悪い魔族じゃないよ。人間だって、魔族だって悪い人はいるよね。マオくんは良い魔族なんだよ。私を助けてくれたり、リンの件だって悪い人から救ったのよ」


「洗脳されているのか?」


「違うよ、馬鹿なの? 御主人さまが悪い魔族だったら、昨日の魔物だってほっといておくに決まってるじゃん。オルガだって助ける必要ないよ」


ミーナとリンの言葉には、2人を納得させる強い力があった。


「オル、この子達が言っていることは正しいと思うよ。私もマオさんが悪い魔族とは思わないよ」


「うぅむ。カルが言うならそうなのだろう。疑ってすまなかったなマオ。だが、ひとつ聞きたいが何故、勇者(見習い)と魔王の息子でパーティを組んでいるのだ」


俺は、ミーナと出会ったときの話をオルガとカルさんにしてあげた。


「あらぁ、素敵な出会いだったのね。それなら2人がラブラブなのも仕方ないね」


ラ、ラブラブ……ミーナが何か呟きながら顔を真っ赤にしていた。


それをによによ見守る俺。背中にタックルしてくるリン。


通常どおりで何よりだ。


「なるほど、アークザリア迷宮の魔王の息子か。それなら強いのも納得だ。マオが敵に回らなくて良かったよ」


オルガは一応話を信じてくれたみたいだった。魔族の証拠として角と羽を出してみた。


それを見たカルさんが「角カワイイ~」っていいながら触りにきたが、オルガに止められて触ることは出来なかった。


俺は触らせてあげても良かったがミーナに機嫌を損なわれても困るし、すぐに収納した。


ミーナは、「妹のササちゃんは、もっともっと可愛いですよ」とカルさんに説明していた。


まあ、確かにササは俺より可愛い。間違いない。


「御主人さまの妹なのですから、当然です」


「リン……」


俺は彼女のステータスの状態欄を見るのが恐ろしかった。


さて、昨夜のことも話をしたし、いよいよパーティを組んで迷宮に向かうとするか。


俺はまず、オルガとパーティを組んだ。


美味しいものは最後まで残すのが俺だからだ。


そして、次にカルさんとパーティを組もうとドキドキしていたら、ミーナが勝手にカルさんとパーティを組んでいた。


ミーナめぇ、俺の考えを読んでいたのか。勇者(見習い)も油断できないなと思った。



オルガもポーチを持っていたので、それぞれ荷物を入れてから、カーマ迷宮に向かうことにした。


カーマ迷宮までは馬車で移動だ。


御者は、カーマ王が用意してくれていた。片道7日くらいかかるらしい。


カーマ国の北東ギリギリのところに迷宮があるそうだ。


迷宮から西へ馬車で2日行ったところにホクトという小さな町がある。


そこは、今回魔物の襲撃を受けていないらしい。そこを経由して迷宮を目指すのだ。


俺たちは馬車に乗り込み、まずホクトの町へと向かった。


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